・3.毒性試験を行うための不完全な指針
動物で毒性試験を行うための現在のEPA 指針の一部に伴う別の問題は毒性の重要な評価を省略することである。
例えば、神経系の発達と機能に重要な酵素であるアセチルコリンエステラーゼを阻害するように特に設計された有機リンとカーバメート殺虫剤の製造業者は、その製品に被ばくすることによるコリンエステラーゼ阻害のレベルを定量する研究の提出を現在求められていない。
同様に、現在の発達神経毒性指針は結局子供の神経系に対する化学物質被ばくのリスクをよりよく評価するために修正されなければならない。例えば1998 年3月、EPAの科学顧問委員会(SAP)は発達神経毒性死因を再評価した。
この指針は「学習障害や行動問題のような人間での重大な結果に適切なより敏感な指標を開発するために、さらに洗練しなければならない」と、満場一致で合意した。46
その他に、タイルソンらは子供の脳発達の影響を受けやすい全時期を反映するにははるかに短すぎると、現在の発達神経毒性での被ばく期間を突き止めた47。
現在の発達神経毒性指針は、生後10 日まで化学物質を試験動物に投与することを求めている。
しかし、人間の脳で重要な急速な生長の時期は妊娠後期 3 分の 1から、ラットやマウスの生後 10 日ではなく 21-28 日に相当する 2 才まで広がっている。48
このような省略は 1993 年に米国科学アカデミーの次のような結論を招いた。
EPAの「現在の試験プロトコルは、新生仔または思春期の動物での農薬の毒性及び代謝または、初期発達段階の被ばくの影響とその後の結果に適切に対処していない」。49 34
の登録されている有機リン殺虫剤のデータ呼び込みの第一相で、EPA は一層立つ神経毒性情報を収集するのを確実にする手段を講じた。
例えば、EPA の最近のデータ呼び込みは、成熟した動物と幼い動物の両方でコリンエステラーゼ阻害に関して比較した評価を含めることを特に求めている。
さらに発達神経毒性研究で動物に妊娠6 日から、現在の指針で求めている生後 10 日を超えて、生後 21 日まで投与することを指針で求めている。50
しかし、今までの所DCIは比較的わずかな農薬に適用され、その多くは20 から30 年以上の間すでに市場にあった。
しかし上記のように、新しい農薬が神経発達毒性などの何らかの神経毒性についていつも検査すべきであるという要求はない。
現在の発達神経毒性指針の中の不備はそれを無価値にしている。
反対に、発達神経毒性12 研究のEPA の1998 年レビューは、「発達神経毒性研究プロトコル(OPPTS870.6300) には出生前後の被ばく後に子孫の神経系発達に関する影響を検出するのを可能とする他の標準的な毒性試験プロトコルで調べられない独特な指標を含む」ことを明らかにした。51
そして1998年 3 月の科学諮問委員会は、「神経系を中毒にすることによって働くあらゆる農薬は」「利用できる最も敏感な有効な方法によって」発達神経毒性試験を考慮すべきである。53 現在の発達神経毒試験はそのようにする EPA の最も敏感で正しい手段である。
4. 実験条件は現実世界を反映せず、動物研究は人間の脳の敏感さを過小評価するだろう動物試験は一般に一時に一つだけの化学物質被ばくによる有毒な影響を評価する。
このことは現実生活の状況でしばしば起こる複数の化学物質被ばくによる累積的及び相互作用の影響について情報を提供することに失敗する。53 例えばウイスコンシン大学のウォーレン=ポーター博士が率いた5 年間の研究は、米国で農薬を登録するために現在用いられている毒物時化延命例に重大な欠点を突き止めた。
この研究は地下水中に一般に存在するレベルで一般的に使われている農業化学物質の組み合わせが、免疫系及び内分泌系及び神経学的健全さに重大な影響を及ぼすことを示した。
実験動物での試験は、それぞれ米国の地下水中の幅広い汚染物質である農薬アルジカルブとアトラジン及び硝酸塩の組み合わせは、免疫系及び内分泌系・神経系の機能の変化を起こすことを示した。54
この研究は、少量被ばくの検査がないこと、内分泌及び免疫機能の検査がないこと、現実世界の被ばくを示す一般に存在する物質の混合物の検査がないことなど、EPA の農薬登録のコア要求中のそれ以外の欠陥を突き止めた。
一般に成熟したげっ歯類での EPA に提出された神経毒性研究は、発達中の人間の脳の敏感さを過小評価することが多い。