・水銀
? 胎児の脳発達に対する脅威のため、妊娠中
の女性や生殖可能年齢の女性に警告する魚
摂取状況報告を必要とするほど、米国のほとんどで淡水魚はメチル水銀により十分汚染されている。
? メチル水銀に対する大きな被ばくは、精神遅滞や歩行と視覚の障害を起こす。
? 少ない胎児被ばくは、言語や注意・記憶の持続する障害を起こす。
? 胎児の水銀と PCB 被ばくは、相互作用し、神経発達への影響を大きくする。
被ばく経路
水銀 (Hg)は、多くの化学的な形で存在しているが、通常、金属や無機化合物として環境中に放出される。
米環境保護庁は、人間の活動が米国で年間約 160 トンの水銀放出の原因であると推定している19。
主な発生源は石炭火力発電所と一般および医療廃棄物焼却炉である。大気中の水銀は、地表に沈着する前に長距離動くことが多い。
堆積物中と水中の水銀は細菌によりメチル水銀に変えられ、メチル水銀は食物連鎖を上に進むにつれて生物濃縮される。
結果として妊婦や生殖可能年齢の女性が摂取した魚は、独特な影響を受けやすい胎児の発達中の脳に脅威を与えるレベルまで、メチル水銀で汚染されるだろう。
メチル水銀汚染のために淡水魚を摂取することを制限するあるいは避けるように、生殖可能年齢の女性に警告した魚の状況報告を40 州が出している。
メカジキや一部のマグロのような大形の肉食性海洋魚も、特に何度も食べる場合十分に汚染されるリスクを与えるだろう。
環境保護庁の推定によると、出産可能年齢の女性 116 万人が、未来の子供に害を与えるリスクをおかすに十分な量の水銀汚染魚を摂取している
動物での研究
動物での研究は有機水銀の発達神経毒性を確認している。
妊娠 6-9 日に 0.008 mg/kg/日の水銀に被ばくした生後 4 か月のラットは、全レバー押し total lever presses 報酬によって調べた行動成績に有意な障害を示した20。
交尾前に平均で 168 日あるいは 747日間、0.04または 0.06 mg/kg/日の水銀を投与した母サルから生まれた生後 50-60 日のサルは視覚認識記憶障害を示した21。
発達中に被ばくした動物の研究で、脳が小さいことや脳室の拡大・細胞構築のゆがみが明らかなった。