子供の行動が破壊的あるいは攻撃的特徴が支配的である場合、行動障害と名付けられる。
この行動が主に権威に向けられた場合、この障害は一般に反抗挑戦障害(OppositionalDefiant Disorder, ODD)と分類される。
破壊攻撃行動がより幅広く向けられ、社会規範と他者の権利を侵すに十分強い場合、この病気は行為障害(Conduct Disorder, CD)と名付けられるだろう22。
破壊攻撃行動が突出することと、比較的正常な言語・非言語コミュニケーション技術、くり返す限られた行動や無関心により、これらの障害はPDD から区別される。
行動障害の臨床的記述は、特に ADHD のものと重なる。このことは、衝動抑制の障害と破壊的あるいは暴力的行動の間の細かい境界を考えれば驚くことではない。
これらの障害の密接な関係は ADHD と診断された子供の30-80%が ODD あるいは CD であると思われている事実を反映している23。
さらに、ADHDと ODD・CD の類似性は、ADHD が学術的な障害として一般に分類されているのではなく、行動障害の弱いものとして分類されていることを反映している。
この報告で考察のために、学習と発達障害は、交錯する 3 組の関連疾患群を用いて明らかに過剰に単純化した枠組みにまとめた。
各疾患群は、種々の程度の欠陥を現す症候群に従って異なる次元の機能として考えることができる。
この視点から、アスペルガー症候群と自閉症は、社会機能不全と限られた行動・コミュニケーション障害を含む発達軸に沿った障害の増加を表す。
第 2 の軸で、ADHD とODD・CD は破壊攻撃行動の連続的表現として考えることができる。第3 の軸では、ADHDと LD・MR は、認識機能不全の連続的表現であると考えることができる。
考察のために、発達障害は交差する配列の枠組みを使って組織的にまとめることができる。
それぞれの配列は機能の異なる次元を表し、それに従って様々な障害の程度を表すことができる。それぞれの次元は障害の幅として見ることができ、様々な障害の間でかなりの重なりがある。