職場の危険:鉛2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・橋桁廃鋼材のガス溶断作業で発生した鉛中毒

本災害は、含鉛塗料が塗布してある橋桁廃鋼材を解体するため、ガス溶断作業を実施した際に発生した。
 災害発生事業場は、金属廃材を解体、切断するなどして処理する作業を行っている。縦約70m、横約20mの鉄骨造建屋であり、壁が約半分の面で、残りは開放状態となっていた

。しかし、局所排気装置は設けられていなかった。

この作業が行われた場所にはこの事業場では含鉛塗料がぬられた鋼材処理は今までに1~2回行っただけであり、その際特に問題も発生しなかったことから、事業者、作業主任者ともに鉛中毒に関する記憶はなかった。
 今回の作業は、鉄橋の橋桁の撤去にともない発生した鋼廃材6本を購入し、LPGを用いて、長さ1m~1.5m程度に溶断するものであり、作業者1名が、3日間の予定で作業を行った。

この橋桁には塗料がぬられていたが、塗料のかき落としは行われないままに溶断が行われていた。

このうち、下塗り用塗料には四酸化三鉛(Pb3O4)が含まれていた。

被災者は1日目は、呼吸用保護具を使用せずに作業を行っていたが、作業終了後体調不調を訴えた。

このため事業者が、2、3日目にそれぞれ使い捨て式防じんマスク、有機ガス用防毒マスクを着用させるとともに、休憩時間を長くとらせるようにしていた。

しかし、以前として体調不調を訴えたため、4日目に受診し、鉛中毒と診断されたものである。


1 事業者及び作業者が、溶断にともない鉛ヒュームが発生することを認識していなかったこと。
2 局所排気装置を設置しておらず、また有効な呼吸用保護具等を着用していないなど、鉛ヒュームに対するばく露防止対策が不十分であったこと。
3 作業を安全に実施するための作業指示等が行われなかったこと。


1 作業において発生する物質の有害性について十分把握すること。
2 局所排気装置を設置するなど、有害ガスに対するばく露防止対策を徹底させること。
3 作業主任者を選任し、適切な衛生管理体制を確立すること。
4 作業に従事する作業者に対して、適切な作業方法、発生する物質の有害性について安全衛生教育を実施すること。