職場の危険:n-ヘキサン4 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・断熱材の貼付け工事中に有機溶剤中毒  


A建設は、B工務店の下請で、公営住宅の断熱材の貼付け作業を請負っていた。
 A建設の作業者甲、乙の二人は、災害発生日の午後3時30分ごろから、建物1階床下にある2部屋続きの床下部屋の側壁の断熱材の貼付け作業を開始した。
 約40分間かけて、南側の床下部屋の貼付け作業を終えたのち、甲と乙は、通気孔で連結している北側の床下部屋(南北2.6m、東西2.2m、高さ1.9m)に移動し、再び、貼付け作業を始めた。
 貼付け作業においては、甲が、側壁に接着剤(第二種有機溶剤であるノルマルヘキサンを60~70%含有しているもの)を塗り付ける作業、乙が塗られた接着剤の上から断熱材を貼り付ける作業を分担して行った。
 作業終了時である午後5時ごろ、甲が意識もうろうとなり倒れたので、乙と1階床下で断熱材の切断作業を行っていた丙の2人で甲を床上に運び出し、救急車で病院に収容した。
 これは、ノルマルヘキサンによる急性有機溶剤中毒の症状があらわれたものと推定される。
 なお、南側の床下部屋及び北側の床下部屋には、直径16cmの外気に通じる通気孔がそれぞれ2個及び1個設けられており、さらに、1階床面には、それぞれの部屋に通じる南北45cm、東西1.2mの開口部があったが、床下部屋の四側面とも壁に囲まれており通風は十分ではなかった。

[1] 床下部分という通風の悪い作業場において、有機溶剤を使用して作業したこと。
[2] 送風機等による強制換気を行わなかったため、接着剤から揮発した有機溶剤蒸気が室内に充満したこと。
[3] 作業方法等について、事業者が適切な指示を行っていなかったこと。
[4] 使用している接着剤に含まれる有機溶剤の成分や人体に及ぼす作用等について、作業者の知識が不足していたこと。

[1] 全体換気を行った上で、送気マスクまたは防毒マスクを使用させること。
[2] 作業時間が短時間であり、全体換気を行わないときは送気マスクを使用させること。
[3] 有機溶剤作業主任者を選任し、作業方法を決定させ、作業者を指揮させる等の職務を行わせること。
[4] 有機溶剤業務に従事する作業者に対し教育、指導を十分に行うこと。


業種 建築工事業
事業場規模 -
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
建設業のみ 工事の種類 建築工事
災害の種類 中毒
被害者数 死亡者数:- 休業者数:1人
不休者数:- 行方不明者数:-

発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)