・出展:ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議
http://kokumin-kaigi.org/
・ドイツ・EUでのミツバチ被害の実態
ウォルター・ヘフェカー氏
(養蜂家・ヨーロッパ職業的養蜂家連盟代表)
序説として、まず写真が写され説明があった。
ドイツにおけるミツバチ群の死滅の場面を映した写真がパワーポイントで示され、それについての報告がなされた。
原因となる殺虫剤としてポンチョが挙げられ、種子処理されて赤くなったトウモロコシ、それの動力種まきに伴う土埃の発生、土壌汚染の実態が示された。
さらに自分たちが行った、ライン上流地域とバヴァリア地域での被害蜂群のサンプル採取が報告された。
次に、ネオニコチノイド系殺虫剤による小麦の種子処理のメカニズムが模式図で説明された。この殺虫剤は浸透性が強く、種子の内部に浸透した分子は成長した茎内を水分と共に上部へと移動し、花粉や果実に浸透するだけではなく、常に葉の表面から空中に水分と共に蒸発する。
そのことで常に大気を汚染し続ける。また、朝、気温が低いと蒸発できず露滴となる。
その水滴を蜜蜂や小鳥が摂取し命を落とすなどの説明がなされた。
本題に入り、蜂群の死滅の原因をめぐって、養蜂家と農薬会社側との争いの経過が述べられた。
養蜂家たちはトウモロコシの種まき時期に蜂群が死滅するのを見て、ポンチョの商品名で売られているバイエルクロップサイエンス社で製造されている種子処理剤クロチアニヂンが原因に違いないと疑ったが、政府役人をはじめ、工業専門家も科学者も、ポンチョは徹底的にテストされた後に認可されたのだと言って、ハチの死滅とポンチョとの関連性を強く否定した。
しかし養蜂家たちは後で、役人も工業専門家も科学者もこのような種子処理の問題点は何年も前から知っていたことを知ることになった。
政府機関は、養蜂家のためではなくバイエルのために被害を小さくするためのあらゆる対策を講じた。
バイエル社が過失を認めなかったために、地方自治体が養蜂家への損害賠償を肩代わりすることになった。
さらに、養蜂家は、地方自治体が作成した、将来にわたる損害賠償からバイエルを免責する承諾書に署名するよう要請され、道端に置いているコンテナの中の汚染された花粉付き巣枠までも廃棄処分するよう求められた。
将来考えられる訴訟の証拠を抹殺しておこうとする魂胆からである。