平成23 年度 環境省請負業務結果報告書5 | 化学物質過敏症 runのブログ

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Q.3:電磁界はどのようなものから発生しているのですか? その強さはどのくらいですか?
A.3:静電磁界は医療機器や鉄道などから、超低周波電磁界は家電製品や電力設備などから、中間周波電磁界はIH 調理器や電子タグ、電子商品監視機器(EAS)などから、高周波電磁界は携帯電話などの無線機器や携帯電話基地局、TV・ラジオ放送局などから発生しています。
【解説】
○ 地磁気6
自然の地磁気(静磁界、0Hz)の強さは、地球上の地理的位置によって異なりますが、0.035~0.07mT です。
○ 医療機器6
磁気共鳴撮影装置(MRI)などの医療機器を使用する際に、患者及び機器を操作する医療従事者は0.2~3T の静磁界にばく露される可能性があります。
○ 鉄道7
電気を動力源とする鉄道については、架線や車載機器などから、0Hz~数十kHz の静磁界、超低周波磁界及び中間周波磁界が生じています。

現在、測定方法が国際規格8で定められ、評価法が検討されていますが、これまでの測定によると、その強さは、車両床面上では、静磁界で1mT 程度、超低周波磁界(数Hz 程度)で100μT 程度もありえますが、その他の場所では、数10Hz の超低周波磁界で0.1μT 程度、数100Hz~数kHz の中間周波磁界で0.01~0.1μT 程度です。

6 世界保健機関(WHO)ファクトシートNo.299「電磁界と公衆衛生:静電界及び磁界」(2006 年(平成18 年))
http://www.who.int/peh-emf/publications/facts/smf_factsheet299_japaneseV2.pdf より。
7 独立行政法人交通安全環境研究所 平成14 年度研究発表「鉄道の磁界に対するEMC について」
http://www.ntsel.go.jp/forum/14files/14-02k.pdf より。
8 国際電気標準会議(IEC)規格TS62597「人体ばく露を考慮した鉄道環境での電気電子機器から発生する磁界レベルの測定手順」(Measurement procedures of magnetic field levels generated by electronic and electrical apparatus in therailway environment with regard to human exposure)(2011 年(平成23 年))
http://webstore.iec.ch/preview/info_iec62597%7Bed1.0%7Db.pdf

○ 家電製品
各種の家電製品からは、電源に用いられる50Hz または60Hz の超低周波磁界の他、電磁誘導加熱式(IH)調理器など製品によっては数kHz~数十kHz の中間周波磁界が生じています。

これまでの調査によると、磁界の強さ(磁束密度)は、例えば電気毛布からは2.19μT(発生源から測定点までの距離が0cm)、電気カーペットからは10.4μT(同0cm)、ヘアドライヤーからは2.85μT(同10cm)、電気掃除機からは0.1~0.546μT(同30cm)程度です。
図 4 に、主な家電製品からの超低周波磁界の強さを示します。
図 4 主な家電製品からの超低周波磁界の強さ


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・出典:財団法人家電製品協会 平成15 年度調査報告のデータを基に作成。測定方法は国際電気標準会議(IEC)規格62233 に準拠。

電気カーペットについては我が国における生活環境を加味して測定距離を 0cm としています。(ICNIRP ガイドラインについてはp.28 参照)
○ 電力設備
送電線や配電線、変電所などの電力設備からは、50Hz または60Hz の超低周波磁界が生じています。

これまでの調査によると、磁界の強さ(磁束密度)は、送電線の下では最大10.07μT(地表1.5m)、配電線の下では最大1.13μT(同1m)、地中送電線の上では最大13.4μT(同0m)、変電所の敷地境界では3.99μT 以下(同1m)です。
図 5 に、電力設備からの超低周波磁界の強さを示します。
図 5 電力設備からの磁界の強さ


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・出典:経済産業省総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会電力安全小委員会
電力設備電磁界対策ワーキンググループ報告書(平成 20 年)のデータを基に作成。(電気設備に関する技術基準を定める省令については p.41 参照)
○ 電子タグや電子商品監視装置の読み取り装置など
電子タグ、電子商品監視装置(EAS)、非接触式IC カードの読み取り装置などからは、各種の中間周波磁界が発生しています。
○ 携帯電話などの無線機器、携帯電話基地局、放送局
携帯電話やその基地局、TV・ラジオ放送局の周辺には、様々な周波数の高周波電磁界が発生しています。

これまでの調査によると、携帯電話基地局からの電磁界の強さ(電界強度)は、市街地で最大2.5V/m、郊外で最大1.6V/m、小学校周辺で最大1.6V/m、地下街で最大5V/m 程度です。
図 6 に、携帯電話基地局からの高周波電磁界のレベルを示します。
図 6 携帯電話基地局からの高周波電磁界のレベル


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・出典:総務省生体電磁環境に関する検討会(第 3 回、平成21 年7 月13 日)配布資料「生電 3-17:電磁環境の把握への対応について」を基に、電界強度をdBμV/m からV/m に換算して作成。
(電波防護指針については p.39 参照)