ピレスロイドの発達中の神経系に対する影響 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・ピレスロイドの発達中の神経系に対する影響
まとめ

最近の論文で妊娠動物にピレスロイドを投与すると、その子供永続的な脳の障害が現れることが報告されている。

少量のピレスロイド(デルタメトリン)を妊娠した実験動物に投与すると、子ネズミの脳に影響が現れ、成熟期になっても障害が残っていることが発見された。

学習や記憶の障害が見られ、神経伝達物質(コリン)の受容体の減少や、アセチルコリンエステラーゼ活性の増加が見られ、神経に変性が起こった時に現れる蛋白質が見られた。

また、脳が発達中の幼い動物にピレスロイドを投与すると、行動や脳の機能に大人になっても続く影響を与えることが報告されている。

また、幼児期にピレスロイドやDDTを投与された動物は、大人になってから少量のピレスロイドに過敏になることが知られている。

直接投与する代わりに、母ネズミにピレスロイドを投与して、母乳を経て子にピレスロイドに被ばくさせると、成熟しても行動変化が残っていた。

幼児期に曝されると、同じあるいは似たような物質に過敏になるのは、ピレスロイド以外にDDTや有機燐・ニコチン・パラコート・PCBなどがある。

幼児や胎児は有害な毒物に敏感であり、長く続く影響を与えるので、十分な注意が必要であろう。

*は用語集を見てください  

ここ20年ほどの間に、脳の発達に関する研究が飛躍的に進み、また神経毒物学という神経系に対する毒物の影響を調べる分野の研究も進んできた。
 
脳の発達は子宮内の胎児の段階から始まり、生まれ、青年期まで続く。

脳が正常に発達するためには、発達段階に特有な種々の変化を必要とし、その変化は次の変化を導く。

そのため、発達中の脳は栄養の欠乏や化学物質汚染に非常に敏感なことが分かってきた。
 
発達中の有機燐系農薬の影響は比較的良く調べられているが、ピレスロイド系の農薬でも幼い時期にピレスロイドを投与すると、永続的な行動や脳の機能に影響が現れることが分かってきた。
 
ここで、現在までに報告された、ピレスロイドの発達中の脳に対する影響を要約する。
 
胎児への影響   妊娠14日から20日まで、毎日コーン油に溶かしたピレスロイド系殺虫剤デルタメトリンをラットに少量(1.0 mg/kg)投与し、生後6週間と12週間に、行動やアセチルコリンエステラーゼ*の活性・アセチルコリン受容体*・神経の分化などに関する特殊な蛋白質の分布を調べた。(2)