電磁界と公衆衛生:物理的特性と生体への影響2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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 非電離放射線(NIR)は、原子結合を破壊するには至らない程度の弱い光子エネルギーをもつ電磁スペクトルの部分を全般的に指す用語です。

この中には紫外線(UV)、可視光、赤外線、無線周波およびマイクロ波電磁界、超低周波(ELF)電磁界そして静的な電界および磁界が含まれます。

 非電離放射線は、どんなに強くとも生体で電離作用を起こすことはありません。

しかし、組織や細胞における熱の発生、化学反応の変化、電流の誘導などにより生物学的影響を生じることが分かっています。
電磁波により生じる生物学的影響は、必ずではありませんが、時には健康への有害な影響につながる可能性があります。

 生物学的影響とは、電磁波ばく露によって生体に生じた顕著なまたは検出可能な生理学的変化です。

 健康への有害な影響とは、その生物学的影響が身体の正常な生理的補償の範囲を越え、結果として健康状態が損なわれることです。
多少強い日差しに対して皮膚の血流が増加する身体反応など、ある種の生物学的影響は無害といえます。

肌寒い日に直射日光の暖かさを感じることなどは有益な影響といえますし、ビタミンD生成を助ける太陽の役割などは積極的な健康効果とさえ言えます。

しかし、ある種の生物学的影響は、結果として日焼けの痛みや皮膚がんなど健康への有害な影響に至ります。
WHO 国際電磁界プロジェクトは無線周波(RF)およびマイクロ波、中間周波(IF)、超低周波(ELF)の電磁界、ならびに静電界と静磁界へのばく露に関して持ち上がった健康への懸念を取り扱っています。

これらの電磁界は健康への影響につながる可能性のある、種々の生物学的影響を生じます。

中間周波(IF)および無線周波(RF)電磁界は熱と電流の誘導を生じることが知られています。

その他に、十分に確立されていない生物学的影響も報告されています。

 周波数が約1メガヘルツ以上の電磁界は、主として媒質中のイオンや水分子を運動させることにより熱を生じさせます。

エネルギーが非常に低レベルでも微量の熱を発生しますが、この熱は、その人が気づくことなく、身体の正常な温熱制御過程により運び去られます。

 これらの周波数に関する多数の研究が、熱作用を引き起こすには至らない程度の弱い電磁界へのばく露が、がんや記憶喪失を含む健康への有害な影響をもたらすかも知れないと示唆しています。

これらの未解決の問題に対する共同研究と一体となって推進することは国際電磁界プロジェクトの主要な目的のひとつです。

 周波数が約1メガヘルツ以下の電磁界は、主として筋や神経などの組織の細胞を刺激する電荷や電流を誘導します。

もともと、生命活動の必然である化学反応の一部としての電流が体内を流れています。

もし電磁界が、この体内の背景レベルを顕著に上回る電流を誘導すれば、健康への有害な影響が起きる可能性があります。
超低周波(ELF)の電界および磁界。

これらの電磁界による生体への主な作用は電荷や電流の誘導であります。環境レベルのELF 電磁界へのばく露によって生じることが報告されている小児がんなどの健康影響は、この作用メカニズムでは説明できないと思われます。

 ELF 電界は、電流が流れているか否かではなく、一つの電荷(電圧)があるところに常に存在します。

電界が人体へ浸透することはほとんどありません。

非常に高い電界強度では、皮膚の毛が動くため、電界は感知されます。

いくつかの研究は、低レベルのこれらの電界へのばく露が小児がんの発生率上昇やその他の健康影響と関連することを示唆していますが、その他の研究は示唆していません。国際電磁界プロジェクトは健康リスク評価の改善に的を絞った研究を行うように推奨しています。