論文:イミダクロプリド10 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・16.他の化学物質との相互作用
遺伝毒性
農薬を農場に使用したり、食品や水、空気、動植物、煙などの中に農薬が残留しているために、人間は農薬被ばくをするが、その他の環境因子との相互作用により影響を受けると考えられている。

イミダクロプリドはカドミウムのDNA 障害や亜硝酸の小核誘導作用を強めるカドミウムはソラマメ根端でDNA 障害を示し、イミダクロプリドはカドミウムのDNA障害を憎悪することが報告されている(Lin et al. 2005)。
Stivaktakis et al. (2010)は細胞膜を電気生理学的に模した技術を使い、培養液中に硝酸カリウムがあることがイミダクロプリドの遺伝毒性を変えるかどうか調べた。

硝酸カリウム単独では培養した血球中リンパ球の小核を誘導しないが、小核が現れる頻度はイミダクロプリドによって増加し、硝酸カリウム濃度が増加するにつれて増加する。

このことは無害と考えられている硝酸カリウムのような物質が、イミダクロプリドのような農薬の遺伝毒性を高めることを示す。

硝酸カリウムはリンパ球にイミダクロプリドを入りやすくし、この結果、小核の発生頻度を高めると思われると、Stivcaktakis et al. (1010)は考えている。

生態系への影響
Pavlaki et al. (2010)はオオミジンコを用いて、イミダクロプリドとチアクロプリドとの相互作用を調べた。

イミダクロプリドとチアクロプリドは、致死量以下の濃度で、子孫を生む数に関して相乗作用を示した。
(イミダクロプリドとチアクロプリドは、オオミジンコの繁殖に対して相乗作用を示す)
Chen et al. (2010)はノニルフェノールポリエトキシレートとイミダクロプリド、両者の混合物に関して、ニセネコゼミジンコCeriodaphnia dubia の個体群に対する慢性影響を調べた。

これらの化学物質の2 日間のLC25(動物の25%が死ぬ濃度)に、動物を8 日間曝した場合、個々の両化学物質は個体数を対照より減らすが、その混合物では相加的影響より大きな減少が見られた。
*ノニルフェノールポリエトキシレートは界面活性剤で、農薬などに使われる。内分泌かく乱作用が疑われている。

イミダクロプリドはノニルフェーノールポリエトキシレートのミジンコに対する影響を強める

文献(日本語のみ掲載)
国立医薬品食品衛生研究所、イミダクロプリド、国際化学物質安全性カード(1993)
http://www.nihs.go.jp/ICSC/icssj-c/icss1501c.html (2010 年11 月2 日現在)
国立医薬品食品衛生研究所、フェニトロチオン、国際化学物質安全性カード(1996)
http://www.nihs.go.jp/ICSC/icssj-c/icss0622c.html (2010 年11 月2 日現在)
国立医薬品食品衛生研究所、ペルメトリン、国際化学物質安全性カード(2001)
http://www.nihs.go.jp/ICSC/icssj-c/icss0312c.html (2010 年11 月2 日現在)
食品安全委員会、「農薬評価書イミダクロプリド」(2007)。
動物医薬品検査所、医薬品等情報副作用情報イミダクロプリド。
http://www.maff.go.jp/nval/iyakutou/fukusayo/jyohou/3824.html (2010 年11 月14 日現在)
橋本良子、アセタミプリドおよびイミダクロプリドのトマトへの浸透移行性、東京農総研研報2(2007)
115-118.
渡部和男、フルジオキソニル、2010。
http://www.maroon.dti.ne.jp/bandaikw/archiv/pesticide/fungicide/fludioxoonil.htm (2010 年12 月5 日現
在)