・生態毒性
ミツバチの群崩壊症候群
2006頃からセイヨウミツバチが大量に失踪する現象が米国や欧州で発生している。
更に日本でも類似の現象が岩手県で報告されている。
原因としては次のような様々なことが考えられている。
・ウィルス
・栄養失調説
・殺虫剤:ネオニコチノイドやイミダクロプリドなど
・遺伝子組み換え農作物説
・ミツバチへのストレス
ミツバチに対する毒性はネオニコチノイド間で差があることが知られており、クロチアニジンやジノテフラン、イミダクロプリド、チアメトキサム、ニテンピラムは毒性が強く、アセタミプリドやチアクロプリドは毒性が弱いと思われている (23)。
Girolami et al. (2009)は、ネオニコチノイド処理種子から育てたトウモロコシの葉から出る滴中のチアメトキサムやクロチアニジン、イミダクロプリドを検出し、その濃度は害虫駆除に使う濃度近くかそれ以上になると示た。
ミツバチがこれらの滴を摂取すると、数分以内に死ぬと報告した(25)。
Tremolada et al. (2010)によると、ネオニコチノイド処理した種子の播種日にミツバチの死亡が増加し、播種後に餌を集める数が減る。トウモロコシの播種が重大な影響を与え、チアメトキサムが最も有毒な物質と考えている。
被ばく量を算出すると、ミツバチが播種した場所を飛翔している場合、チアメトキサムはミツバチの接触LD50近くになるという(24)。