フェニトロチオンの毒性7 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・10. 発癌性
ラットの2 年間経口投与研究(雄50 匹、雌50 匹)で、全群の組織病理学的検査で、投与量に相関する腫瘍発生率の増加は見られなかった。

フェニトロチオンを餌に混ぜて、雌雄各50 匹のICR スイスマウスに、0、30、100 、200 mg/kg の投与レベルで78 週間投与した。

外見と行動・体重・死亡率に関して、化合物に関連する影響の証拠はなかった。肉眼での剖検で、全ての器官や組織で一定した化合物に関連する変化は明らかにならなかった。

組織病理検査は、投与に関連する一定した発生率の増加は明らかにならなかった(Extension Toxicology Network 1995)。
癌のリスクがスウェーデンの農薬使用労働者20,245 人の集団で評価された、99%は男性で、87.7%は1914 年後に生まれている。

農薬使用・使用方法・喫煙習慣/職歴の調査を集団のうち268 人のランダム標本から手に入れた。最も一般的(70%)の職業は農業であった。

大部分は農薬でフルタイムの仕事はしていない。1950 年代20%は除草剤を使っていたが、1960 年代と1970年代ではそれぞれ51%と68%が除草剤を使っていた。

この30 年間に最もよく使われた除草剤は、4-クロロ-2-メチル-フェノキシ酢酸であった。

各集団は1950 年代に15%、1960 年代に34%、1970年代に46%が殺虫剤を使った。

DDT は最初の20 年間に最もよく使われた殺虫剤であったが、1970 年代にはフェニトロチオンが最も多かった。

30 年の間殺菌剤はそれぞれの年代で7%、16%、31%が使い、特にマネブは1950 年代と1960 年代に、トリアジメフォンは1970 年代に使われた。
スウェーデン癌登録の追跡調査は全般的な癌リスクの有意な減少を示した。

有意に増加したリスクは全ての特定の癌に見られず、有意な時トレンドも見られなかった。

リスクの有意でない増加は精巣や内分泌・神経系の癌で見られた。

1915 年以前に生まれた人でリスクが少ないことが見られたが、有意でなかった(Hazardous Substances Data Bank 2000)。
広く使われている有機リンは発癌性でないと考えられる。

しかし、この分野で論争がある。
このレビューをした2000 年時点でフェニトロチオンの発癌性を評価するデータはない(Hazardous Substances Data Bank 2000)。
フェニトロチオンは変異原性と腫瘍プロモーション作用とを持つと示されており、Goto et al.(2004)は変異原性やプロモーション活性を持つ物質は可能な限り避けるべきだとしている。