有機リン:クロルピリホス6 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・変異原性
・ クロルピリホス再登録のために提出された遺伝障害の検査の大部分は、陰性である[1]。
 
・多くの別の研究は、クロルピリホスが遺伝障害を起こすことを示している。
 
 ・ 人間のリンパ節の細胞を用いた試験は、姉妹染色分体交換(細胞分裂中に対となる染色体内での遺伝物質の交換)を起こす[1]。
 
 ・ 人間の白血球を用いた試験で、姉妹染色分体の交換が増加する[1]。
 
 ・ 実験動物でも遺伝障害を起こすことが示されている。
 
 ・ マウスの脾臓細胞で、クロルピリホスは染色体異常と姉妹染色分体交換の頻度を増加させる[1]。
 
 ・ 生きているマウスに、注射や経口投与 ・皮膚吸収によって、クロルピリホスは骨髄で多染性の赤血球(幼弱あるいは変性した赤血球)数増加を起こす[1]。
 
 ・ クロルピリホスの経口あるいは経皮被ばくは、背血球中で小核数を増やす。小核は先行する細胞分裂が異常であった場合に形成される[1]。
 
 ・ チャイニーズハムスターで、クロルピリホス被曝後に骨髄細胞で小核が見られている。実験は生きているハムスターと培養細胞で行われた[1]。
 
 ・ 哺乳動物以外の生物でも遺伝障害が見られている。
 
 ・ ショウジョウバエで、クロルピリホス製剤は羽の原基となる細胞の変異を増やし、劣性性連鎖致死突然変異を増やす[1]。
 
 ・ オオムギの花粉母細胞と根端細胞、カラスノエンドウの根端細胞で染色体異常を起こす[1]。
 
 ・ タマネギ根端細胞で小核を生じる[1]。
 
 ・ 3種類の細菌でDNA障害を起こす[1]。
 
 
免疫系への影響
 
最近の研究はクロルピリホス被曝後に人で免疫異常が起こることを突きとめた。
 
 ・ クロルピリホス被曝後1年から5年後の患者で、抗生物質に対するアレルギーと感受性の通常より高い頻度が認められ、ある種のリンパ球(T細胞減少とCD26細胞増加)の異常が見られた。

CD26細胞は自己免疫疾患に関連する[1]。
 
 ・ クロルピリホス被曝後に、遅発性神経毒性と多くの殺虫剤に対する過敏性発現をつくむ多くの慢性疾患を患った医師の話から、免疫系障害とクロルピリホスとの関係が広く知られた。

医師は、オオアリを駆除するためにベンジオカーブとクロルピリホスで処理した休暇用の部屋で被ばくした。
 
 ・ 別の良く知られた例には、クロルピリホスを含むノミ駆除スプレーに職場と家庭で被ばくした女性の例がある。

女性には多剤化学物質過敏性が現れ、種々の命を脅かす症状に苦しんでいる[1]。

この病気は、特定の被ばく事故が、多くの化学物質に対する過敏性の引き金を引く(多剤化学物質過敏症とかMCSと呼ばれる)。

この病気は医学界で激しい論争の的になっている。

患者の洞察によると、クロルピリホスは多くの症例の原因である[1]。
 
 ・ クロルピリホスの解毒メカニズムが正常に働かない場合、個人の免疫系がクロルピリホス被ばくによって特に影響を受ける可能性がある[1]。
 
 ・ クロルピリホスオクソンの解毒に関与する酵素には幾つかの形があることが知られている。

低活性の酵素を持つ人は、クロルピリホス解毒の速度が、早い人より13倍も遅いことが知られている。

このことは免疫障害のみでなく、あらゆる種類の毒性に関連がある[1]。
 
 ・ 血漿パラオクソナーゼは血漿の高密度リポプロテン中にあるエステラーゼで、クロルピリホスのような有機燐殺虫剤の解毒に関与する。

また、低密度リポプロテン中にある酸化脂質を破壊することにより冠状動脈を保護する。

この酵素の機能を解明するためにパラオクソナーゼノックアウトマウスを作った。

このマウスはクロルピリホスオクソンの影響に極度に敏感で、クロルピリホス自体に対して更に敏感である[12]。