・出展:日本東洋医学会
http://www.jsom.or.jp/index.html
・漢方製剤の記載を含む診療ガイドライン(KCPG)
Appendix 2011 2011.10.1
日本Appendixについて
日本東洋医学会EBM特別委員会エビデンスレポート/診療ガイドラインタスクフォース(ER/CPG-TF) では、わが国の診療ガイドラインの中から、漢方の製剤に関係する記載を調査し、「漢方製剤の記載を含む診療ガイドライン」(KCPG)として日本東洋医学会のホームページに公開している。
現在までの最新版は2010年6月1日に公開した「漢方製剤の記載を含む診療ガイドライン2010」(KCPG 2010)である。
本Appendixは、KCPG 2010以後の1年間の動向について2011年3月31日に調査を行い、2010年4月1日から2011年3月31日までの間に東邦大学医学メディアセンターの「診療ガイドラインリスト」に新たに収録された108件から、79件を調査対象として選び、その中の漢方製剤に関係する記載を調査し、タイプ別に分類したものである。調査方法の詳細はKCPG 2010を参照されたい。
KCPG 2010からの追加・変更は以下の通りである。
・新規に作成された7つのCPGに、漢方製剤の記載が掲載された。
(1) 日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン2010、
(2) エビデンスに基づいた月経前不快気分障害(PMDD) の薬物治療ガイドライン、
(3) 急性呼吸不全による人工呼吸患者の栄養管理ガイドライン、
(4) 線維筋痛症診療ガイドライン2009、
(5) 劇症肝炎の診療ガイド、
(6) 甲状腺腫瘍診療ガイドライン2010年版、
(7) 新型インフルエンザ診療ガイドライン
・従来は漢方製剤の記載のなかったCPGのうち、2つの改訂版で新たにそれが掲載された。
(1) 認知症疾患治療ガイドライン2010、(2) 気分障害治療ガイドライン第2版
・従来から漢方製剤の記載のあったCPGのうち、4つのCPGにおいて、記載が継続掲載された。
(1) 科学的根拠に基づく乳癌診療ガイドライン1. 薬物療法2010年版(記載内容は前版のまま)、
(2) アレルギー疾患診断・治療ガイドライン2010(記載内容は前版のまま)、(3) NASH・NAFLDの診療ガイド2010 (記載内容は前版のまま)、(4) 臨床検査のガイドラインJSLM 2009 検査値アプローチ,症候,疾患,検査の評価法(従来の記載に新たな記載が追加された)
・ 従来は漢方製剤の記載があったCPGのうち、2つの改訂版でそれが除外された。
(1) ペインクリニック治療指針改訂第3版、
(2) 科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2010
以上から、本versionでは以下の通りとなった。
(runより:表があったのですが元の画質が悪い為省きます)
タイプA: 引用論文が存在し、エビデンスと推奨のグレーディングがあり、その記載を含むもの
タイプB: 引用論文が存在するが、エビデンスグレードと推奨のグレーディングのないもの
タイプC: 引用論文も存在せず、エビデンスグレードと推奨のグレーディングのないもの
1) 東邦大学医学メディアセンターwebsite収録の「診療ガイドライン」全てから漢方CPGを調査した。一方、2008.4.1版以後は、東邦大学医学メディアセンターwebsite収録の「診療ガイドライン」のうち、以下を除外して調査を行った。
(1) 外国のCPGとその翻訳版、
(2) 医療倫理に関するガイドライン、
(3) 動物実験や治験など研究に関するガイドライン、
(4) すでに改訂版が作成されているCPGの旧バージョン、
(5) 一般向けなど、CPGのダイジェスト・バージョン、
(6) その他、臨床診療を目的としないガイドライン。したがって、2007.6.15の報告と2008.4.1以後の報告とでは、調査対象件数が異なることに留意されたい。
2) KCPG appendix 2011は、2010.4.1-2011.3.31の新規掲載、継続掲載部分のみを収載しているが、ここでは、2011.3.31時点での全体の状況を示している。