初期胎児に高い「シックハウス」リスク | 化学物質過敏症 runのブログ

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・初期胎児に高い「シックハウス」リスク~妊娠前から化学物質回避を 住環境の変更には注意必要

 子供の発育や健康に影響を与える化学物質などの環境要因を解明し、リスク管理体制の構築を目指す環境省の「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」が今年から始まるなど、環境由来の健康被害から子供を守ろうという意識が高まっている。

そんな中、化学物質過敏症や環境医学の第一人者であるテキサス大学医学部のクラウディア・S・ミラー教授が来日。

都内で講演を行い、「妊娠前から自宅屋内で化学物質を回避する環境対策を」と訴えた。

イクメンを目指すなら、今からパートナーとともに備えたい。(頼永博朗)

 ミラー教授は今月10日、住宅メーカーの積水ハウスが主催した子供のシックハウス症候群対策に関するセミナーに招かれ、「子供の健康を守る家」をテーマに基調講演を行った。
 ミラー教授は、細菌論や免疫論ではなく、石油化学製品に起因する新しい疾病概念「TILT(化学物質不耐性)論」を用い、室内で放出される化学物質にさらされることにより、さまざまな疾病の危険性が増えていることを解説。予防には「化学物質を回避することが重要だ」と強調した。
 TILTは2段階からなる疾患で、特に先進工業国で確認されているという。第1段階は、住宅の新築や増改築、新しい家具の搬入などの際に建材や塗料などから揮発する化学物質により、感受性の高い人の抵抗力が失われる。

第2段階は、以前は抵抗力のあった低レベル濃度の化学物質のほか、食品や薬、香料なども症状の引き金となる。
 症状はあらゆる臓器系に影響を及ぼすともいわれるが、ミラー教授は「特に自閉症や注意欠陥・多動性障害(ADHD)といった神経系の発達障害を引き起こす危険性が高まる」とする。

そのうえで、「生まれてくる子供のために、すてきな住環境を整えようと頑張ってしまう親がいるが、これが逆に胎児や生まれてきた赤ちゃんを複数の化学物質にさらしてしまうリスクとなり得ることを知ってほしい」と注意を促す。
 ミラー教授はまた、妊娠初期1カ月くらいの胎児が胎盤を通し環境の影響を最も受けやすいという。

「つまり、女性が自分の妊娠に気づく以前の段階で、胎児に影響が出る恐れがあるということ。将来の妊娠を考えているなら、良質な建材を用いるなど環境面での安全性を今から整えておくことが重要。高気密住宅が一般的な現代では、新鮮な空気を室内に取り込めるようにすることにも気を配ってほしい」と訴えた。

 シックハウス症候群の症状は個人差が大きく、成人と子供では化学物質に対する感受性も異なる。

NPOケミレスタウン推進協会が作成した「ケミレス必要度テスト」は、自分にはどれくらい化学物質に注意した生活が必要かを判断するための目安を手軽に知ることができ、家族で利用してみてはいかがだろう。
 テストを受けるには、同協会の「ケミレスタウン・プロジェクト」のホームページにアクセスし、「ケミレス必要度テスト」をクリック。

「化学物質敏感度チェック」「これまでに経験した症状アンケート」を順番に回答する。1回の判定は約5分で済む。
 テストは、クラウディア・S・ミラー教授が携わって米国で開発された問診票と、厚生労働省の対応マニュアルを組み合わせ、同協会が独自に作成。ただ、テストはシックハウス症候群を診断するものではなく、診断は必ず専門医に相談することが必要だ。【11月26日・MSN産経ニュース】