『電磁波と生体:文献的考察』の「治療など」という項目から、治療に関する記述を下記に紹介します。
「代替医療治療者は電磁波過敏症に気づいていることが多く、助けになることも多いかもしれない。鍼、気功、指圧治療などエネルギーの感覚的転移を利用している。しかし、患者にとって適切でないこともある」そうです。
また、「ベジタリアン食がある程度の健康回復に役立つ場合がある」とあります。
「マクロビオティック食は体をアルカリ性にし、肉や砂糖は一般に酸性にする。ある種の食物を除去すると、電磁波症状が改善することがある。例を挙げると、ミルクやグルテンなどでる。唐辛子、カラシ、胡椒のような香辛料は、炎症状態に戻るために、避けることが望ましいかもしれない。農薬のない有機栽培食物も購入できればさらに望ましいかもしれない」。
化学物質や電磁波、精神的ストレスが、その人の許容量を超えて溢れ出すと、症状が現われるという考え方があります。
これは、雨の中におかれた雨樽に例えられます。樽が身体で、雨が環境汚染物質や精神的、生物学的ストレスです。
「樽の中の水」を調べるために、「既往歴、家族歴、最近の医学的治療状況、作業内容などからの環境暴露歴、最近の環境分析、そして食事や食物を確認することも必要となる」。
適切な治療によって樽の中の雨水が減って、ある程度空になると、暴露に耐えやすくなり、「解毒、食事変換、病状の治療、環境汚染の排除などにより、以前には耐えられなかったような暴露に耐える力が増すこと」を期待するそうです。
環境医学ではサウナを解毒法として利用し、代替医療では酵素(プロテアーゼ、リパーゼなど)やハーブ療法を取り入れているそうです。ただし、「酵素は一般にカビから作られるために、多種化学物質過敏症やカビに反応する人には不適当」だといいます。
「スウェーデンのヨハンソン博士は、βカロチン/ビタミンAが電磁波過敏症の日光過敏性症状に有効である」と述べており、「βカロチンは日光過敏性の治療薬として記載されてい」ます。
ちなみに、βカロチンは、パセリやにんじんに多く含まれています。
また「メラトニンは電磁波過敏症の一部で有効と言われ報告されているが、電磁波過敏症患者に広く用いられて効果があるかどうかは不明だ」
「メラトニン投与は電磁波過敏症の痛みにある程度有効性が示されている。ここに述べた方法は一人の人に良い物が、他の人には害になる可能性もある」。
電磁波過敏症の治療方法はまだ確立していませんが、食生活の改善や、サウナで汗をながすことなどは、自分でも試すことができます。
できる範囲で、自分の体調を見ながら、少しずつ試していってはどうでしょう。
なお、メラトニンのサプリメントを長期間服用するのは問題があると考えている医師もいます。
メラトニンを増やすには、大豆や鮭などを積極的に摂りましょう。