・表1.室内空気及び外気中のリン系難燃剤濃度 単位:ng/m3 物質名 住宅(n=88) オフィスビル(n=44) 外気(n=34)
最大値 最小値 中央値 最大値 最小値 中央値 最大値 最小値 中央値
リン酸トリメチル 5.8 <1.0 <1.0 99.7 <1.0 <1.0 1.2 <1.0 <1.0
リン酸トリエチル 212 <0.50 5.7 41.6 1.0 6.0 6.2 <0.50 0.57
リン酸トリプロピル 0.57 <0.50 <0.50 11.2 <0.50 <0.50 <0.50 <0.50 <0.50
リン酸トリブチル 396 0.78 7.1 77.1 <0.50 13.9 2.2 <0.50 0.53
リン酸トリス(2-クロロイソプロピル) 14,230 <1.0 4.2 171 1.8 14.9 26.9 <1.0 2.0
リン酸トリス(2-クロロエチル) 372 <1.0 4.6 553 <1.0 9.6 3.0 <1.0 <1.0
リン酸トリス(ブトキシエチル) 66.5 <1.0 2.6 218 <1.0 3.1 1.8 <1.0 <1.0
リン酸トリス(1,3-ジクロロ-2-プロピル) 100 <1.0 <1.0 212 <1.0 <1.0 <1.0 <1.0 <1.0
リン酸トリフェニル 15.1 <1.0 <1.0 13.5 <1.0 1.8 2.9 <1.0 <1.0
リン酸トリクレシル 9.2 <4.0 <4.0 5 <4.0 <4.0 <4.0 <4.0 <4.0
リン酸トリス(2-エチルヘキシル)は不検出(<1.0)
表2.室内空気及び外気中のリン系難燃剤検出率 物質名 住宅(n=88) オフィスビル(n=44) 外気(n=34)
検出数 (%) 検出数 (%) 検出数 (%)
リン酸トリメチル 21 23.9 9 20.5 1 2.9
リン酸トリエチル 85 96.6 44 100 19 55.9
リン酸トリプロピル 0 0 3 6.8 0 0
リン酸トリブチル 88 100 43 97.7 18 52.9
リン酸トリス(2-クロロイソプロピル) 74 84.1 44 100 20 58.8
リン酸トリス(2-クロロエチル) 76 86.4 41 93.2 13 38.2
リン酸トリス(ブトキシエチル) 64 72.7 37 84.1 4 11.8
リン酸トリス(1,3-ジクロロ-2-プロピル) 3 3.4 20 45.5 0 0
リン酸トリフェニル 28 31.8 21 72.7 2 5.9
リン酸トリクレシル 1 1.1 2 4.5 0 0
塗装工事中の室内やその周辺の空気には、塗料由来の化学物質が多く存在することが予想される。
そこで、塗装作業中(事例1)と作業後(事例2)について、室内や周辺のVOC(揮発性有機化合物)濃度の実態調査を行った。
結論
1 塗料由来のVOCは、作業を行った室内だけでなく周辺にまで影響し、また、翌日にまで残ることが確認された。作業場所と放散期間について、十分に考慮する必要がある。
2 本調査の結果では、塗装後(事例2)より、塗装中(事例1)の方が、VOC濃度が低かった。その要因に、塗料の種類と換気条件があると推測された。
一般に、「水性塗料」を使用し、「換気条件を良くすること」で、VOC濃度は低くできる。
ただし、水性塗料に含まれるテキサノールや1-メチル-2-ピロリドンは健康被害との関連が疑われるため1)、添加されていない水性塗料を選ぶ必要がある。
事例1 塗装中の室内VOC濃度
塗装場所:室内(46m3)の壁(25.8m2)
塗料:水性塗料
換気:扉と窓2ヶ所を開放、機械換気無し
空気採取:塗装中に室内中央で採取
事例2 塗装後の周辺VOC濃度と経時変化
塗装場所:室内(18m3)の天井(7.5m2)と扉(5.9m2)
塗料:ウレタン樹脂系塗料(結果から油性と推測)
換気:扉開放、換気口あり、機械換気あり
空気採取:塗装終了30分、4時間、23時間後に扉付近と周辺で採取
測定物質:塗料由来と考えられるVOC
(トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、ウンデカン、トリデカン、エチルトルエン、トリメチルベンゼン、1,2,4,5-テトラメチルベンゼン、4-メチル-2-ペンタノン、2-プロパノール)
runより:家電などに弱い方はこの可塑剤と有機リンと接着剤が原因と考えられます。
家電は電気を使用すると温度が上がるので揮発しやすくなるんですね。