鉛:神経系への猛毒物質4 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・鉛被ばくと精神分裂病(統合失調症)
 
精神分裂病の病因は良く分かっていません。

一部では出生前の栄養失調や感染症との関連が報告されています。

鉛による行動障害と精神分裂病との類似性に気づいた米国コロンビア大学のオプラーらのグループ(2004)年は妊娠中期に母親の血中鉛レベルのマーカーが高いグループでは精神分裂病になる可能性(オッズ比)が高いことを報告している。(Opler et al. 2004))、
 
 
鉛と白内障
 
白内障には、老人性白内障や先天性白内障・糖尿病性白内障、さらには放射線やステロイドなどの薬物・外傷・別の眼の疾患など多くの原因によって起こるものがあるとされています。
 
いくつかの研究は白内障の水晶体(レンズ)中に鉛が入っていることを発見してる。
 
米国のブリガムアンドウーマンズ病院予防医学部門のシャウムベルクらのグループは累積的な鉛被ばくと白内障の発症との関係を骨の鉛レベルを調べることによって検討した。(Schaumberg et al. 2004)
 
下腿の骨、脛骨(けいこつ)の鉛レベルが高いグループと低いグループを比較するとオッズ比は2.68で、骨中の鉛レベルが高いグループで白内障のリスクが高かった。

喫煙や糖尿病・血中鉛レベル・ビタミン類摂取などの交絡因子を合わせると、オッズ比は3.19とさらに高くなった。

比較的骨中の鉛が移動しやすい膝蓋骨中の鉛レベルでも鉛濃度が高いほど白内障のリスクが増加したが、その傾向は統計的に有意でなかった。

血中鉛レベルと白内障との関係はなかった。
 
このデータから一般的に経験するレベルの鉛被ばくが白内障のリスク因子であることがわかる。
 
 
鉛で注意すること 
 
 自動車のエンジンの性能を高めるために以前は鉛化合物が添加されていました。

その当時は自動車排気ガス中の鉛によって空気が汚染され、血中鉛量が高かったことが報告されています。
 
 現在は鉛入りのガソリンはほとんど使用されていません。

しかし、過去の使用によって道路周辺の土壌は汚染されている可能性があります。

特に当時の幹線道路沿いでは注意が必要です。
 
 家庭内の古い水道配管には鉛が使われていました。

鉛管を通る時に少しずつ鉛が溶け出します。

特に、朝、水道を使うときにはやや高濃度の鉛が含まれている可能性があります。

このようなときは水道の本管から蛇口までの水を飲料や調理用に使わないで捨てる必要があります。
 
 最近、オーストラリアで陶磁器のティーポットによる鉛中毒が報告されています。

新婚夫婦は健康飲料としてコンブ茶をポットを使っていれていました。

6ヶ月位で中毒になりましたが、原因はポットに使われていた鉛であるといわれています。
 
 陶磁器にうわ薬や色絵の具が使われますが、この中には鉛やカドミニウムを含んだものがあります。

日本陶業連盟では陶磁器製飲食器の安全性を確保するために安全基準を作り、基準に合格したものに安全マークを交付しています。

対象品目は飲食物の触れる箇所に上絵付又はうわ薬を施した食卓用品及び台所用品ですが、例外もあります。
 
それでも基準を超えた鉛が検出された事例があります。

例えば2004年11-12月の岐阜県の検査では土岐市や多治見市で生産された食器から基準を超えた鉛が検出されています。(毎日 2004年12月15日)
 
 鉛を含んでいる恐れのある陶磁器には酸性の柑橘類などの果物や酢の物・ワインなどをいれると溶け出す可能性があります。

よく考えて食器を購入し、使う必要があります。
 
 ペンキの中に鉛が含まれていることがあります。

1978年、アメリカのCPSC(消費製品安全委員会)は重量%として0.06%以上の鉛を含む塗料およびそれを使用した玩具などの子供用品、家具類を禁止しています。

また、1992年、アメリカの国会は鉛の害を減らすため、鉛の危険性を判断する値として塗膜中の鉛の量を0.5%として決めています。