クリーンエア:2007年9月号 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出典:国立病院機構盛岡病院化学物質過敏症外来便り
http://www.moriokahosp.jp/


・国立病院機構盛岡病院化学物質過敏症外来便り
2007年9月号(Vol.5 No.3)
化学物質曝露による症状が強い時の対応について

国立病院機構盛岡病院 水城まさみ
今年の夏は、記録的な猛暑でした。

普段ならば東北ではお盆を過ぎると涼しくなってきますが、今年は残暑が続
きました。

そのため農薬や除草剤の使用回数や使用量が増えたようです。例年化学物質過敏症外来では、ゴールデンウイーク明けから夏にかけて、近所での除草剤や農薬散布、野焼きをきっかけに体調を崩して外来受診される方
が増えてきますが、今年はいつもより多いです。

このような場合に、グルタチオンの点滴や酸素吸入の効果があることがわかってきました。

特にグルタチオンは以前から農薬中毒、鉛などの金属中毒、薬物中毒の解毒剤として使用されてきました。

その作用機序として抗酸化作用が注目されてきています。

最近では医師が臨床の場で使用する本の中にも化学物質過敏症(シックハウス症候群など)の項が設けられるようになり、治療としてグルタチオンの点滴も記載されています。
化学物質過敏症の治療にはグルタチオンの他にビタミン剤や漢方薬なども使用されていますが、いずれも抗酸化作用を期待して使用されているようです。

グルタチオンの点滴は特に強い脱力感やそのために歩くこともできなく
なるような急に症状がひどくなってきた時にレスキューとして使用する時の効果があります。

かなりひどい症状でも1回の点滴で改善することもありますが、症状が長引いている場合はレスキューでなく、週に1~2回位をしばらく続けることもあります。

酸素吸入も特に胸が苦しい時や、頭痛がある時、脱力感でも比較的軽い症状の時は単独でも効果が現れることも多いです。

酸素の濃度は低濃度で良く、時間も10分から長くても1時間位で良いので、患者さんの中にはスポーツ用の酸素を使用している方もおられます。

ただ容器の臭いが気になる場合もあるので注意が必要ですし、容量の割には値段も高いです。

レスキューの治療のために盛岡病院の外来を受診される方もいらっしゃいますが、時間外や休日の時や、病院まで来るのに時間がかかる方も多いので、不安なこともあると思います。

救急車を要請したら救急隊員の服に付着したタバコの臭いでさらに具合が悪くなった方もいらっしゃいます。
そのような場合には近くの病院や開業医の先生に紹介状を書いて、レスキューの時の対応をしていただくようにお願いする例がでてきました。

最近は「化学物質過敏症」もだいぶ認知されてきたようで、快くお引き受けいただく先生方が殆どですが中には良い返事がいただけないこともあります。

それでも必要な場合はまずはお願いしてみるようにしています。
酸素吸入に関してですが、自宅で酸素ボンベを用意することが可能になりました。

まだ保険適応の件で解決できていない部分がありますが、現在自費扱いではなく正式に保険でできるように体制を整えているところです。

治療の一環なので、医師の処方のもとに吸入していただくのが最良と考えています。

体制が整うまでは、ご不便なこと
もあると思いますがもう少し待っていただくようお願い致します。