・小青竜湯
「小青竜湯」は、漢方の古典といわれる中国の医書『傷寒論[ショウカンロン]』 に収載されている薬方です。鼻みず、鼻炎、うすい水様の痰を伴うなどに効果があります。
別名 温肺化飲湯
日本漢方の効能・・・気管支炎、気管支ぜんそく、鼻水、うすい水様の痰を伴う咳、鼻炎
販売、及び製造している代表メーカー
・クラシエ,ツムラ
小青竜湯 処方構成
半夏6.0
麻黄・芍薬・桂枝各3.0
細辛・乾姜・甘草・五味子各2.0
小青竜湯 中医学解説
【効能】 辛温解表・温肺化痰・平喘止咳・利水
【適応症】 寒冷によるうすい水様性の喀痰や鼻水、四肢や背部の冷え、または悪寒,頭 痛など感冒の咳吸 気管支炎、喘息、寒冷によるアレルギー性鼻炎に用いられます。
【類方比較】 五虎湯:咳嗽、喘鳴著明、口渇と発汗が著しい。(肺熱)
麻黄湯:咳嗽、喘鳴あり.発熱悪寒、体痛があります。
麦門冬湯:大逆上気、咽喉不利、咽がイガイガして、反射性の烈しい乾咳。(肺胃陰虚)。
【解説】 麻黄・桂枝・細辛は、悪寒、発熱、頭痛、身体痛などの表寒に対し、発汗・解熱に働いて緩解させます(辛温解義)。
また、利尿に働きます(利水)。
麻黄・細辛・半夏・五味子は、鎮咳、痍の抑制に働く(止咳・化痰)。
乾姜・細辛・桂枝・麻黄は、血管拡張により血行を促進し、体をあたためる(温肺)。
芍薬・五味子は、滋養強壮作用により体を滋潤、栄養する。
麻黄は、気管支平滑筋のけいれんを緩解し、呼吸困難、喘鳴をしずめる(平喘)。
五味子も平喘に働く。芍薬・甘草は、筋けいれんを抑制する。
五味子の収れんの効能と、乾姜・細辛の発散の効能を組み合わせ、相互の行き過ぎを抑える。
【治療の現場から】 ★喘息発作あるいは浮腫には、五虎湯と合方します。
★元気がない、疲れやすい、食欲不振など気虚を呈するときには、六君子湯や補中益気湯を合方します。
★アレルギー性鼻炎で透明の鼻水がある場合に麻黄附子細辛湯と合方します。
上腹部の胃のあたりである心下部ので振水音を訴える人が多い
※この目標に必ずしもこだわる必要はありません。
【臨床応用】 感冒・インフルエンザ・気管支炎・気管支肺炎・肺気腫・気管支喘息の発作期などで、表証をともなう寒痰の喘咳を呈するもの。
あるいは急性腎炎の初期などで風水を呈するもの。アレルギー性鼻炎などにも用います。
runより:私はステロイドからこの薬メインに変えました。
とても使いやすい薬です。