・桂枝加芍薬湯 処方構成
芍薬6.0
桂枝・生姜・大棗各4.0
甘草2.0
桂枝加芍薬湯 中医学解説
【効能】 温中補虚・和裏止痛
【適応症】 気血不足の腹痛(けいれん性の腹痛で暖めたり,押さえると楽になるもの)に用います。
【類方比較】 桂枝加芍薬大黄湯:本方と同様の症状を呈するが,裏急後重と便秘がさらに強い場合に用います。
小建中湯:腹痛が持続的でさらに強い場合に用います。
桂枝加芍薬湯より鎮痙,温補の働きが強くなっています。
【解説】 芍薬・甘草・大棗は、平滑筋、骨格筋のけいれん、緊張をゆるめ、鎮痛に働きます(緩急止痛)。
滋養作用により体を栄養し(補血)、桂枝・生姜は、中枢性、末梢性に血行を促進し、体内をあたためます(温中)。
また、消化液の分泌、蠕動を促進します。
生姜は、制吐、鎮嘔に働き、桂枝・生姜は、悪寒、頭痛、関節痛、発熱などの表寒の症候に対し、発汗・解熱によって緩解させます(辛温解表)。
芍薬・甘草・大棗は、発汗過多をおさえる役割があります。
【治療の現場から】 ★冷えが強ければ、安中散を合方します。
腹部膨満感があります
裏急後重の症状があります。
裏急後重とは、腹痛がして排便したがり、排便の時に肛門のところに重く落ち込む感覚を有します。
※この目標に必ずしもこだわる必要はありません。
【臨床応用】 腸炎、結核性腹膜炎、虫垂炎、痔核、ヘルニア、胃アトニー、胃下垂、大腸炎、直腸炎