・毒性
ネオニコチノイドの急性毒性は一般に低い。ネオニコチノイドは、ニコチン性アセチルコリン受容体(用語を見よ)の阻害剤として作用する。
哺乳動物の受容体への親和性が昆虫の受容体への親和性よりも低いため、昆虫に選択的な毒性を発揮するといわれている [1]。
有効成分以外に、界面活性剤や有機溶剤のような不活性成分にも注意を要する。
半数致死量 [1]
イミダクロプリド
経口 ラット 410-475
経口 マウス 98 mg/kg
マウス 131-168 mg/kg
クロチアニジン
経口 ラット雌雄 5,000< [8]
経皮 ラット 2,000< [8]
吸入(4時間) 506.14 mg/L [8]
吸入 ラット >5,323 mg/kg
経皮 ラット >5,000
腹腔内投与 マウス 35 mg/kg
チアクロプリド
ラット雄 621 mg/kg [9]
ラット雌 396 mg/kg [9]
経口 ラット 444 mg/kg
ラット雌雄 2000 mg/kg [9]
吸入 ラット 1,223 mg/m3/4時間
ラット雌雄 0.481 mg/L<
チアメトキサム
経口 ラット >3,000 mg/kg
経口 ウサギ >4,000 mg/kg
吸入 ラット >2.78 mg/L/4時間
ニテンピラム
吸入 ラット 5,800 mg/m3/4時間
経口 ラット 1,575 mg/kg
経皮 ラット >2,000 mg/kg
経口 マウス 867 mg/kg
人間の中毒例
イミダクロプリドは、昆虫と比較してほ乳類ではニコチン性アセチルコリン受容体への親和性が弱いため、比較的毒性が弱いとされている。
広く使われているが、人間の被ばく事例報告は少ない。
9.7%のイミダクロプリドと2%以下の表面活性剤、溶剤としてN-メチルピロリドンを含む製剤を飲んだ事例がある。
臨床症状は、眠気及び混迷、めまい、口と食道・胃のびらん、胃の出血、痰の絡んで咳、発熱、白血球増加、高血糖が見られた。
この患者は摂取4日後退院した。この症状の一部は不活性成分であるN-メチルピロリドンによるものかもしれない [2]。