食品における金属について6 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・5. セレン(selen)Se
来 歴
1817年に発見された。

天然には重金属の硫化鉱中に存在する。
セレンはさまざまな生理活性を有する必須微量元素である。

セレン中毒は、セレンの生理機能や必須性が明らかになる前の1930年代に、特に家畜で問題とされてきたが、比較的最近でもヒトや野生生物のセレン中毒が報告されている。


中毒症状・毒性
土壌中に高濃度のセレンが存在する地域では、セレン蓄積植物が100~
10、000ppmものセレンを蓄積する。

米国で起きていた家畜類の病気が、これらの植物を食べることによっておきるセレン中毒であることが1930年代になって明らかになった。

このセレン中毒は症状によって以下の3つに分類できる。


● 急性毒性
10,000 ppm1ものセレンを含有する植物を食べた場合に呼吸困難、歩行異常、姿勢異常、衰弱、下痢を呈する。数時間で死亡することもある。普段、家畜はこのような植物を避ける習性があるので急性中毒は起こりにくいが、牧草不足等でこれらの植物を食べたときに起こる。

● 回旋病、暈倒病
ある量のセレンを数週間~数ヶ月の間に摂取した場合に起きる。

よろよろと歩き回る、食欲不振、視覚障害、前肢の衰え、呼吸障害、舌・咽頭の麻痺、肝壊死、腎炎等を伴い最後には死亡する。

● アルカリ病
5~40mg Se/kgの穀類を数週間から数ヶ月に渡って摂取した場合に発症する。食欲不振、関節のびらんによる脚の不自由、蹄の変形と脱落。脱毛、痩せ衰え、貧血、肝硬変、心臓萎縮が認められる。

鶏や七面鳥では、卵産生の遅れ、胚の変形、孵化率の低下が認められる。

繁殖力の低下は、豚や羊などでも認められる。

ヒトのセレン中毒については、多量のセレン摂取に起因する可能性が考えられる健康障害の事例はいくつかあるが、セレン中毒であることが証明された事例は少ない。

しかし、さまざまな状況証拠から、毛や爪の脆弱化、脱毛、爪の変形と脱落、慢性皮膚炎などはセレンの中毒症状であろうと考えられる。


代 謝
亜セレン酸、セレノシスチン、セレノメチオニンの腸管吸収率は高く、ラットではいずれも80%以上である。

多量に投与されたセレンは肝、腎に多く分布し、セレン化合物や投与経路の違いの影響をあまり受けない。

排泄も速く、多量の亜セレン酸を投与された場合には、肝のセレンは24時間後には大部分が排泄される。

主要な排泄経路は、尿中にトリメチルセレノニウムイオンの形で、さらに投与量が増加すると呼気中にジメチルセレンの形で排泄され、これがセレンの過剰摂取時に認められる呼気のニンニク臭の原因であると考えられている。

食品衛生上の注意点
現在の所、食中毒等での問題点は特にない。

食中毒事例
特に見当たらない。

セレンが0,5ppm以上含まれる食品