食品における金属について4 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・3. カドミウム(cadmium)Cd
来 歴
カドミウムは1817年、酸化亜鉛の不純物としてドイツの鉱物学者F.Strohmeyerによって発見された。
カドミウムは天然に遊離状態で産出することはなく、ほとんど亜鉛に伴って産出する。
カドミウムの約75%は、鉄や鋼など腐食されやすい金属をめっきするのに使われる。

また、原子炉の制御棒・遮蔽剤にも使われ、Ni-Cd電池向けの消費も増加している。

その他、美術用顔料、自動車工業用塗料、塩化ビニル安定剤、ブラウン管用発光体に用いられる。


中毒症状・毒性
Cdヒューム吸入による急性影響は、吸入数時間後から生じる咽頭痛、咳、悪寒、息切れ、呼吸困難、筋肉痛、発熱、肺水腫、間質性肺炎である。
慢性影響は、閉塞性肺疾患、肺気腫および腎機能障害が主な症状である。

腎機能障害として特に近位尿細管機能異常が知られている。
また、Cd汚染地域に住む閉経後女性に「イタイイタイ病」といい、骨軟化症、骨粗しょう症といった骨疾患が多発した。

このような骨疾患は、カドミウムがカルシウム代謝に影響しているためと考えられている。


代 謝
経気道的に吸入されたカドミウムの吸収率は、カドミウムの溶解性やヒューム粒径により異なるが10~60%である。
カドミウムの腸管吸収は、まず腸粘膜から吸収され、吸収されたカドミウムの大半が腸粘膜内でメタロチオネインと結合し、Cdメタロチオネインとして肝臓、腎臓に蓄積され、特に腎皮質に高濃度に蓄積される。
カドミウムの生物学的半減期はヒトで18~33年と推定されている。


食品衛生上の注意点
穀類、米(玄米)にカドミウム及びその化合物:1.0ppm未満(cdとして)、その他、容器もしくは容器包装又はこれらの材質別規格にカドミウムの規格がある。

ほ乳器具等のゴムにはカドミウムに関する規格がある。
清涼飲料水、粉末清涼飲料にカドミウムは検出されてはならないとの成分規格がある。


食中毒事例
昭和41年東京都で患者数は300名、吐き気、嘔吐を主症状とする事例が起きた。

原因は麺を入れて加工する金属バスケットの一部にカドミウムメッキが施してあり、そのカドミウムがうどんに移行したためと判断された。

発症は短いもので約30分、大多数は1~2時間であった。

カドミウムが0,1ppm以上含まれる食品