ネオニコチノイド系農薬3 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・◆予防原則の適応が急がれる日本果物や野菜など、食用植物の約80%の受粉を助けるミツバチ。

その消滅は、農業と生物多様性の将来に大きな損失を与えます。

ヨーロッパ諸国が対策を進める一方、日本では2009年、全国的な花粉交配用ミツバチの不足問題への対策として、ミツバチの不足地域に効率的な供給を行うシステム作りを講じるに留まり、ネオニコチノイド系農薬自体への対応は、依然遅れたままです。


脅かされる生物多様性

◆ネオニコチノイド系農薬・殺虫剤が脅かす、生物多様性世界中で報告されている、ミツバチの大量死や減少。

CCD(蜂群崩壊症候群)と呼ばれるこの現象の直接的な原因とみられており、ヨーロッパ諸国で対策が見られるネオニコチノイド系農薬。

ネオニコチノイド系農薬は、ミツバチだけでなく、その水溶性と残効性で土壌や河川を汚染し、そこに生息する多様な生物にも深刻な影響を与えます。
 
水田には昆虫だけでも1000種類以上が生息しており、食物連鎖によって複雑に結びついて保たれています。

農薬は、病害虫だけでなく、そこに生息する多様な生物にも影響を与えます。

農村では既に多種類の農薬が使われてきましたが、ネオニコチノイド系農薬は更にその危害を加速すると考えられます。

農薬によって生物の個体数が減ったり絶滅したりすれば、食物連鎖を通じて他の生物も減少したり絶滅したりして、多様性が貧弱な生態系になってしまうのです。

◆このままミツバチがいなくなると、どうなる?ミツバチの役割
ミツバチは、幼虫の餌として蜜や花粉を集め、その過程でオシベの花粉をメシベに運び受粉を行うポリネーター(花粉媒介者)。
ミツバチは農業、自然界での3つの重要な役割を果たしています。

●野菜や果物が食卓から消える? ― 農作物の受粉(交配)
 
食用植物の約80%がミツバチの恩恵を受けています。
農業現場では、イチゴやブドウなどの果物や、トマト、ナスなどの野菜の果実を実らせるための受粉や、翌年の種子確保のための受粉を、主としてミツバチに依存しています。

万一ミツバチがいなくなれば、蜂蜜はもちろん、多くの食物が食卓から消え、農業は壊滅的な被害を受けることになるでしょう。

●植物の数が減る? ― 樹木や野の花の受粉
自然界では、花の咲く植物のほとんどが野生のミツバチなどのポリネーターに頼って種子をつくり、次世代を残しています。

CCDについて多くの人が注目するようになったきっかけでもある「ハチはなぜ大量死した(邦題)」「Fruitless Fall(原題)」(ローワン・ジェイコブセン著)によると、「私達が地球を共有する25万種の植物のうち、4分の3は野生の花粉媒介者の手を借りて繁殖している。」ミツバチは受粉によって植物の多様性を維持し、森林や里山などを豊かで安定した生態系に保つ役目を果たしています。

●ミツバチは指標生物 ― 環境の異変を警告する
環境の悪化を知らせる生物を指標生物といいます。
 
ミツバチは指標生物。女王蜂を中心とする社会生活を営み、必ず帰巣するので個体数の増減がわかります。現在、ミツバチに起こっている世界的な異変は、生態系の重大な異変を知らせる警鐘でもあります。