農薬飛散によるリスク軽減に向けて4 | 化学物質過敏症 runのブログ

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7.2.7 散布後の措置
散布エリアについては、一定期間立看板等による表示とともに、ロープ等を張ったり、必要に応じて見張りを立てる等散布エリア内に住民等が立ち入らないよう措置を行う。

また、例えば、散布後の粒剤に土をかぶせて粒剤そのものが露出しないようにするなど、水で希釈した散布液を散布する場合以外でも、使用後に住民等が薬剤そのものに触れることの無いよう、留意する。
7.2.8 農薬使用履歴の記録
以下の項目について記録し、一定期間(3年程度)保管する。
ア.農薬を使用した年月日、場所、対象農作物等
イ.使用した農薬の種類又は名称及び単位面積当たりの使用量又は希釈倍数
7.2.9 農薬散布を委託する場合の留意点
農薬散布を業者に委託する場合は、上記のような散布上の留意点を仕様書や契約書等に明確にしておき、飛散による危被害を防ぐことが重要である。
業者の選定に当たっては、県が認定している農薬管理指導士や、(社)緑の安全推進協会が認定している緑の安全管理士等の資格を有する者が作業を実施、又は監督できる業者を選定するとともに、病害虫の発生程度に応じた農薬の散布を実施するため、業務量の増減が見込まれることから、契約に当たっては、柔軟に対応できるような方式を用いて、予め業者と十分話し合っておくことが望ましい。
7.2.10 農薬散布に係る苦情等の対応(相談窓口の設置等)
農薬散布に伴う健康被害等に備えて、相談窓口を設置し、農薬散布状況(散布の目的、農薬名、農薬散布日時、剤型、希釈倍率等)を集中的に情報管理することが望ましいが、困難であれば、散布場所の管理者が、散布状況について良く把握し、市民からの問い合わせ等に対応できるよう体制整備を行う。

なお、農薬散布を委託する場合にあっても、施設管理者が責任を持って対応できる体制整備が必要である。
7.3 散布以外の農薬使用法について
農薬の液剤による散布は飛散が起こりやすいが、農薬成分を植物に浸透させることによる効果を期待する等、散布以外の方法により使用する農薬として塗布剤、樹幹注入剤等がある。

以下に主要な農薬について掲げる。(農薬の登録情報は平成20年1月1日現在のものであり、使用の際は農薬のラベルを必ず確認すること)
7.3.1 塗布剤・ペースト剤
整枝時や病患部・病枝の除去時にできた、切り口や傷口等に塗布し、病害の予防等を行う農薬。
7.3.2 樹幹注入剤、樹幹打ち込み剤
樹木の幹にドリル等で穴を開け、そこに農薬成分を入れることにより、病害虫の防除等を行う農薬。

薬剤により、使用時期が害虫発生前のものもあり、毎年の病害虫の発生状況を確認の上使用する等の注意が必要。
また、樹幹注入剤で容器による注入を行う場合は、薬剤注入中は使用者以外の者が容器に触れることの無いよう留意し、注入後の容器は速やかに回収すること。
7.3.3 その他
○クズの除草:除草剤としてイマザピルを木針に浸み込ませ、当該木針をクズの根株に刺すことで枯死に至らせる。
○クズ、フジ等のつる類の除草:グリホサートイソプロピルアミン塩液剤をつる類の株頭に傷をつけ注入し枯死に至らせる。
○枯損木のマツノマダラカミキリの殺虫:マツの伐倒、集材した枯損木に所定量のボーベリアバシアーナ剤(生物農薬)が付着した不織布製剤を設置し、ビニールシート等で被覆することにより、枯損木から脱出したカミキリに菌が付着し殺虫効果がある。
○スギカミキリの捕殺:スギ、ヒノキの幹に粘着剤を巻き付け当該害虫を捕殺。


生物農薬
BT剤、スタイナーネマカーポカプサエ剤、スタイナーネマグラセライ剤、ボーベリアブロンニアティ剤、アグロバクテリウムラジオバクター剤
ザントモナスキャンペストリス剤


昆虫成長制御剤(IGR剤)
クロマフェノジド水和剤、ジフルベンズロン水和剤、テフルベンズロン乳剤、テブフェノジド水和剤。フルフェノクスロン乳剤
ルフェヌロン乳剤。


塗布剤・ペースト剤
オキシン硫酸塩塗布剤、チオファネートメチルペースト剤、有機銅塗布剤。

樹幹注入剤、樹幹打ち込み剤
アセフェート剤(カプセル)、チアメトキサム液剤、エマメクチン安息香酸塩液剤、塩酸レバミゾール液剤、酒石酸モランテル液剤、ネマデクチン液剤、ミルベメクチン乳剤、メスルフェンホス油剤