盛岡病院化学物質過敏症外来便り 2008年3月号 | 化学物質過敏症 runのブログ

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出典:国立病院機構盛岡病院化学物質過敏症外来便り
http://www.moriokahosp.jp/

http://www.moriokahosp.jp/pdf/clair0803.pdf


・国立病院機構盛岡病院化学物質過敏症外来便り 2008年3月号(Vol.6 No.1)
ク リ ー ン エ ア
玄米食考
昨年は「ミートホープ」の牛肉偽装問題に始まり、「白い恋人」や「赤福」の賞味期限の改ざん、船場吉兆の組織的な虚偽表示問題など、食の安全の確保には十分に責任を持つべき食品業界のずさんな対応が目立ち、私たち消費者は裏切られた感が強かったですが、その極めつけは、今年に入り中国産冷凍ギョウザが原因と疑われる健康被害例が発生し、冷凍ギョウザより日本では使用が禁止されている有機リン系農薬メタミドホスが高濃度で検出されたという報道でした。

私たちはどのようにして自らの食の安全を確保していったら良いのかますます不安が高まってきています。

食料の大半を輸入に頼っている日本の将来はどのようになっていくのでしょうか。
ちょうどこのような時期に、私事ですが、昨年末に東京で長く自宅療養をしていた父を肺炎で亡くしました。

4年前に心不全が悪化して、入院しましたが、その時にもうこれが最後の正月となるだろうからと主治医から言われて、退院してから、なんと4回目の正月を自宅で迎えられると思っていた矢先でした。

最後の入院の日の朝までどうにか自力で食事が出来ていた上に、93歳でしたので大往生と言ってよいのですが、6日の入院で急逝してしまったのは残念でしたが、寝たきりにならずに元気に50年住み慣れた自宅で生活できたのは幸せでした。

お通夜の時に、長く父の往診をして下さった主治医の種ヶ島永宝先生と初めてお会いして、お話をすることができました。

今年83歳になられる先生は、種ヶ島共立醫院院長として現役の医師として地域医療に貢献されていますが、昨年の春には長年活動されている「日本綜合医学会(現NPO日本綜合医学会)」の第6代会長に就任されたとのことでした。

同会は昭和29年、二木謙三東大名誉教授を初代会長として発足し、長い間玄米菜食による食養生を中心に“病気を未病のうちから防ぎ、健康な身体を作る医学”を研究、普及する目的で活動されてきたとのことです。先生自身毎食玄米を食べて、カロリーを控えた野菜を中心とした食生活とウォーキングなどの運動を継続されていて、気持ちも身体も若々しさを保っておられます。

父も先生のアドバイスにより養生し、長く元気な状態を続けられたのだと実感し感謝、感謝でした。

最近、玄米食が見直されてきています。

自然食やマクロビオテイックという言葉もブームになっています。

しかしこれらの食事は、今に始まったことではなく、日本人が古来より食べてきたものです。

化学物質過敏症外来に通院されている患者さんの中にも無農薬の玄米や野菜を求めたり、自分で栽培されたりと努力されている方もおられますが自然治癒力を高めることに繋がると思います。
食生活が脅かされる昨今の状況を考えると暗澹たるものがありますが、パーフェクトに何が何でも全部無農薬にして、加工食品は一切使用しないというのはなかなか困難と思います。

そこで例えば家で食べる主食は無農薬玄米にして気軽に食べるために、例えば2合炊いたら残りをおむすびにしてラップに包んで冷凍しておき、食べるときに蒸し器で蒸して食べるのも良いでしょう。

また調味料を無添加の玄米味噌や麦味噌にしてみるとか、塩は天日干しの海塩にしてみるとか、あまり肩肘をはって無理せずに、できるものを取り入れるということから始めれば良いと思います。

無理なく、楽しく、心地よく、自分の身体が要求するものを取っていくのが食養生の基本です。

また、無農薬の玄米食といっても、すべての人の身体に合うわけではありません。例えば米アレルギーでは、米を食べるとひどい湿疹となったり、下痢を起こしたり、体調不良の原因になることがあります。

種ヶ島先生は毎食取っているそうですが、すべて主食を玄米にすると却って気分が悪くなったり、体調不良をきたすことがあるので、身体に相談して少しずつ試していくと良いと思います。

そういう私もまだ玄米食にはしていません。種ヶ島先生が教えて下さった秋田の無農薬玄米を取り寄せてみようと思っているところです。

何か良いことがあったらまたお知らせします。