・全身性エリテマトーデス用語集7
・全身性エリテマトーデスはかつて死に至る病でしたが、1950年代のステロイドの登場とともに生存率、生活の質のいずれにおいても劇的に改善した病気です
おそらくもっともステロイドの恩恵を受けた病気であると言えるでしょう
本症におちいった患者は、安定していても終生少量のステロイドを服用しつづける必要があります
これについては、厳密に科学的または疫学的な根拠があるわけではありません
というのも、本症に対してステロイドの投与をやめてみる医者などというものが存在しないからです
とはいっても、自発的に内服をやめてしまった患者の観察などにより、おそらく終生のみ続けなければいけないであろうことは、国際的なコンセンサスとなっています
このコンセンサスは強力であって、たとえば他の膠原病である皮膚筋炎・多発性筋炎やベーチェット病などではステロイドをやめることは可能といわれていますが、特に全身性エリテマトーデスにおいてのみ不可能であると考えられています
逆に、終生ステロイドを飲み続けていると、本症を完全におさえこんだまま一生を終えることはまれではないでしょう
むしろそういったケースではステロイドの副作用[浮腫やうつ状態・白内障(例:安奈淳など)]が目立つことになります
・免疫抑制薬は、ステロイド薬の副作用が強かったり、ステロイド薬だけでは治療の効果があがらない場合に併用することがあり、内服、点滴などの方法がとられます
・血漿交換療法は、重症例では、自己抗体や炎症物質を減らすために行われることがあります
いわゆる難病のひとつですが、最近では治療の進歩で5年以上生存できる人が95%以上と非常に改善されています。