木製ベッドから発生する化学物質等 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・国民生活センターより
http://www.kokusen.go.jp/ncac_index.html


木製ベッドから発生する化学物質等-ホルムアルデヒドを中心に-
 シックハウス症候群の原因と考えられているホルムアルデヒド等の化学物質の発生源のひとつに家具がある。

 PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)には、家具から発生するにおい、化学物質やシックハウスに関する相談が2003年度以降2008年8月末日までの登録分で1,045件寄せられている。

その中でも、ベッド類に関するものが214件にのぼり、「目がチカチカして気分が悪くなった」「塗料のにおいがきつく頭痛や鼻づまりなどの症状が出た」などの危害情報が113件と半数以上を占めている。

その他、2008年1月11日には、組立て式ベッドの使用によって、アレルギー性の気道炎及び蕁麻疹等を引き起こしたという事例が厚生労働省より報告されている。

 (社)日本家具工業連合会や全日本ベッド工業会では、低ホルムアルデヒド材料を使った商品を対象に、自主基準に基づくマーク表示しているが、現状ではマークが付いた商品はまだ多くない。

また、JIS規格は、材料のホルムアルデヒド放散量の規定のみで、商品としての規定がないため、実際に使用したときの室内空気中のホルムアルデヒド濃度が高い場合も考えられる。

 そこで、比較的安価な(50,000円以下)組立て式木製ベッド(引き出し付、マットレスなし)7銘柄について、室内で使用したときに空気中のホルムアルデヒド等の化学物質の濃度が高くないのか、また、表示に問題がないのかなどを調べるとともに、ベッドの品質等について製造・販売者等にアンケートを実施し、消費者に情報提供することとした。


主な調査結果等
ベッドから発生する化学物質
•設置1日後に、7銘柄中3銘柄で室内濃度指針値(注)を上回るホルムアルデヒド濃度となり、うち1銘柄は指針値の7倍以上であり、2銘柄は15日経っても指針値を上回っていた。

なお、これらの銘柄に使用されている材料は、ベッドのJIS規格には適合しないほどホルムアルデヒドの放散量が多いものであった。
•設置6時間後、1日後では、7銘柄中1銘柄で室内濃度指針値を上回るアセトアルデヒド濃度であったが、3日後には指針値以下となった。
•TVOC(総揮発性有機化合物)の暫定目標値を超えるものが3日後でも1銘柄あった。
•換気により、一時的にはホルムアルデヒド濃度を減少させることはできるが、換気をやめると1時間後にはホルムアルデヒド濃度は換気前の70%にまで戻った。

(注)厚生労働省のシックハウス問題に関する検討会により定められたもの。これまで、ホルムアルデヒドをはじめとする13種の揮発性有機化合物(VOC)の値が定められている。

なお、この値を一次的かつわずかに超えたとしても直ちに健康への有害な影響を生じるわけではない。
ベッドから発生するにおい
•においの強い銘柄ほど、不快に感じる傾向にあった。

また、長時間在室していられるかについては、2銘柄で、半数以上の人が「できれば在室していたくない」もしくは「在室していたくない」と評価した。
•においの強いものはTVOCの室内濃度も高い傾向にあった。

一方、ホルムアルデヒドの室内濃度とにおいには相関がなく、ホルムアルデヒドの濃度が高くてもにおいでは分からない。
表示
•化学物質に関する注意表示はベッド本体の取扱説明書にしかないため、購入してからでないと分からない。
事業者へのアンケート調査
•77%の事業者がホルムアルデヒドを低減化した商品を扱っているが、低減化のレベルには差があった。

また、ホルムアルデヒドを低減化した商品を扱っていると回答した事業者の約4割は、低減化したものであっても、商品によってはホルムアルデヒドを低減化したことの表示を行っていない。
•VOCを低減化した商品はホルムアルデヒドに比べ少ない。


消費者へのアドバイス
•ホルムアルデヒドの室内濃度指針値を超えるものがあった。

ホルムアルデヒドはシックハウス症候群の一因とされる物質なので、購入する際にはホルムアルデヒドを低減化した商品であるかどうか確認した方がよい。
•組み立てる前に、自分が気になるほど強いにおいがないかどうかを確認した方がよい。


業界への要望
•ホルムアルデヒドの室内濃度指針値を超えた銘柄があったので、商品の改善を要望する。
•ホルムアルデヒド低減化の表示のあったものは、室内濃度が低かった。

消費者が商品を購入する際の目安になるよう、一定の基準に基づいた業界統一のマークがついた商品を増やしたり、注意表示をするよう要望する。
•においに関する苦情が多数寄せられている。

テスト結果より、においの強いものはTVOCの室内濃度も高い傾向にあったため、においを減少させるようにTVOCの放散量などの自主基準作成を要望する。


行政への要望
•ホルムアルデヒドの室内濃度指針値を超えた銘柄があったので、商品の改善の指導を要望する。
•個々の材料だけではなく商品としてホルムアルデヒドの放散量を規制するよう要望する。
•においを減少させるため、TVOC放散量などの自主基準を作成するよう業界指導を要望する。


要望先
経済産業省 製造産業局 日用品室
厚生労働省 医薬食品局 審査管理課 化学物質安全対策室
全日本ベッド工業会
社団法人 日本家具工業連合会
社団法人 日本通信販売協会



情報提供先
内閣府 国民生活局 総務課 国民生活情報室
経済産業省 商務流通グループ 消費経済政策課



業界の意見 ※2008年11月14日 追加
「株式会社 千趣会」より
 今回の商品テストの結果を真摯に受けとめ、社内基準の見直しの検討、カタログ・Webサイトなどで消費者が商品購入の目安になるような商品説明の工夫、管理・チェック体制の構築を進めます。

 なお、テスト対象銘柄名「多収納すのこベッド」に関しましては、既に販売受付は終了しております。

 また、弊社ではすべての構成部材がF☆☆☆☆である場合、環境配慮商品として他と区別して販売しております。このタイプの商品の開発を今後とも一層積極的に展開していく所存です。

株式会社 千趣会 ライフスタイル事業本部
SCM部 SCM1チーム テクニカルリーダー 加辺正幸