家庭には危険で必要ない製品2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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2.二酸化塩素について
(1)二酸化塩素とは
 二酸化塩素は、分子式ClO2の室温で塩素様の刺激臭を持つ気体であり、空気より重い。

強い酸化力を持つが、光、熱に不安定で、塩素と酸素に分解する。
 二酸化塩素への職業性曝露による主な健康影響は、気道、皮膚、および眼の刺激であるが、ヒトに関し信頼できる定量的データはないとされている。

(2)二酸化塩素の作業環境基準等
 常温常圧下での二酸化塩素は、不安定で反応性の高いガスであるため、ガス状の二酸化塩素を取り扱った毒性試験は現状ではほとんどみられない。ACGIH が定める二酸化塩素の作業環境基準は、塩素よりも小さな値となっており、また、ラットの吸入による急性毒性を表す半数致死濃度(LC50)も塩素より低く、二酸化塩素の方が塩素よりも毒性が強いと考えられる(表省略)。

3.PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)より
相談件数:2005年(0)、2006年(1)、2007年(1)、2008年(2)、2009年(16)
▼相談事例
・感染管理製品を2~3 週間使用したところ、軽い咳、痰を生じるようになった。塩素を吸って気管が痛くなる事例はあるか。

(30 歳代男性、神奈川県)
・フタを開けると同時に塩素系の臭いが部屋中に立ち込める。幼児がいるので身体に影響がないか心配。(50歳代女性、兵庫県)


4.テスト対象銘柄
 二酸化塩素による部屋等の除菌をうたった商品は、部屋に置いて二酸化塩素を放散させる据置タイプのものと、スプレータイプのものに大別される。

後者はスプレーの回数等、使用者による調整が可能であるが、本テストでは使用者による調整が困難と考えられる据置タイプのものを対象とした(下表省略)
5.テスト結果
(1)塩素系ガスの放散速度の経時変化
 塩素系ガスの放散速度は、1 日後までに最大となったが、ゲルタイプ(No.1~5)の放散速度は小さく、その後も横ばい状態であった(下図1省略)。
 用いた検知管法では、共存する他の塩素系のガス等を分別できないため、測定値を「塩素系ガス」の濃度とした。
(2)二酸化塩素及び塩素の放散速度
 二酸化塩素の放散は9 銘柄中6 銘柄(No.1~5、9)でわずかであった。

一方で、ゲル生成タイプ(No.6~8)では明らかな放散が認められ、中でもNo.6の使用開始1日後の放散速度が特に大きかった。

(3)においの強さと容認性
 塩素系ガスの放散速度の大きい銘柄では、臭気強度が大きくなるとともに部屋に長時間いたくないと回答した人も増えた。

悪臭防止法を参考に、人による「嗅覚測定法」によりモニターテスト(モニター10名、平均年齢37.5歳)を行った(下図2省略)。
 日本建築学会では、通常の部屋において、80 %以上の人がその臭気の存在を受け入れられる環境条件を保持すること(非容認率 20 %以下)を目標として環境基準を定めている。