▼洗浄剤(住宅用・家具用)、洗剤(洗濯用・台所用)
洗浄剤及び洗剤に関する事例は192件。
そのうち、洗浄剤に関する事例は156件、洗剤に関する事例は36件でした。 成分で最も多いのは、次亜塩素酸ナトリウムを含有する塩素系の製品によるもの(93件)であり、製品形態で多いのはポンプ式スプレー製品(99件)でした。
事例1 【原因製品:カビ取り用洗浄剤(塩素系)】
患者:76歳 女性。
状況:気管支喘息のある患者が、清掃作業中に業務用の塩素系カビ取り用洗浄剤のフタを開けた。
ガスを吸入し、症状が出現した。
症状:喘息発作、一時呼吸停止、湿性ラ音、低酸素血症、頻脈、意識障害。 処置・転帰:輸液、ステロイド投与(入院6日)。
事例2 【原因製品:カビ取り用洗浄剤(塩素系)】
患者:3歳 男児。
状況:塩素系カビ取り用洗浄剤のスプレー容器がなかったため、付替え用ボトルの内容物を1本分、浴室内にかけた。
1時間後に水で流し、浴室は終日換気したが、5時間以上経っても臭いが残っており、入浴した子どもに症状が出現した。
症状:発熱(翌日には解熱)。
処置・転帰:外来受診(経過観察)。
漂白剤:省略
▼芳香・消臭・脱臭剤
芳香・消臭・脱臭剤に関する事例は81件でした。
本製品に特徴的な形態として自動噴射する設置型芳香剤がありますが、人が近くにいる時に突然噴射する事例や、カートリッジや電池の交換時など、想定しない状況で噴射する事例が今年も報告されています。
事例1 【原因製品:芳香・消臭・脱臭剤(自動噴射型エアゾール)】
患者:3歳 女児 状況 自動噴射型エアゾール式の消臭剤を子どもが上から覗き込んでいたときに、自動でスプレーされ、眼に入った。
症状:眼の痛み(洗眼後に改善)。
処置・転帰:洗眼。
転帰:不明。
▼園芸用殺虫・殺菌剤等
園芸用殺虫・殺菌剤等に関する事例は67件。成分別では有機リン含有剤が22件、グリホサート含有剤は10件、ピレスロイド含有剤は12件でした。
事例1 【原因製品:有機リン系園芸用殺虫殺菌剤(粉末・顆粒タイプ)】
患者:50歳 女性。
状況:殺虫剤と殺菌剤の希釈液5Lを、電動の噴霧器で庭のバラに散布した。保護具は着用していなかった。
直後より症状が出現し、翌日に医療機関で受診した。
症状:当日:下痢、頭痛、手のしびれ、筋肉痛、発熱 翌日:発熱、筋力低下、縮瞳 (第5病日、頭痛、下痢以外は改善)。
処置・転帰:外来受診(4日、内服薬処方)。