相変わらずつづく家庭内の化学製品による事故2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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■小児の誤飲事故
 全事例数は377件。

原因製品としては、「タバコ」が130件(34.5%)で最多。次いで「医薬品・医薬部外品」が64件(17.0%)、「玩具」が34件(9.0%)、「プラスチック製品」が25件(6.6%)、「金属製品」が22件(5.8%)、「洗剤類」が18件(4.8%)、「化粧品」が16件(4.2%)、「硬貨」が14件(3.7%)、「電池」が9件(2.4%)、「食品類」が7件(1.9%)でした。タバコが毎年、突出して多い。

死亡例はありませんでしたが、入院、転科、転院が19件ありました。

 医薬品類の誤飲は、入院に及ぶような重篤な障害をもたらすおそれがあるため、医薬品等の保管及び管理には細心の注意が必要です。
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(事例省略)
参考:国立保健医療科学院「子供に安全をプレゼント~事故防止支援サイト」 (窒息時の応急方法等)
http://www.niph.go.jp/soshiki/shogai/jikoboshi/index.html

■吸入事故
 全事例数は970件。種別で見ると、前年度と同様、殺虫剤(医薬品等を含む)の報告件数が最も多く、252件(26.0%)でした。

次いで洗浄剤(住宅用・家具用)156件(16.1%)、漂白剤83件(8.6%)、芳香・消臭・脱臭剤81件(8.4%)、園芸用殺虫・殺菌剤43件(4.4%)、洗剤(洗濯用・台所用) 36件(3.7%)、除菌剤23件(2.4%)、消火剤22件(2.3%)、灯油22件(2.3%)、除草剤21件(2.2%)、乾燥剤21件(2.2%)の順でした。

 製品の形態別の事例数では、「スプレー式」が408件(42.1%)(そのうちエアゾールが228件、ポンプ式が180件)、「液体」293件(30.2%)、「固形」108件(11.1%)、「粉末状」78件(8.0%)、「蒸散型」※69件(7.1%)、その他7件、不明が7件でした。

 ※閉鎖空間等において、1回の動作で容器内の製剤全量を強制的に蒸散させるタイプの製品。

くん煙剤(水による加熱蒸散タイプを含む)、全量噴射型エアゾール等が該当する。


▼殺虫剤・防虫剤
 殺虫剤・防虫剤に関する事例は271件で、殺虫剤が252件、防虫剤は19件でした。
 一度の噴射で長時間効果が持続するバリアー用エアゾール(ワンプッシュ蚊取り等)の報告件数が26件と、平成21年度(9件)と比較して約3倍に増加しています。

事例1 【原因製品:ピレスロイド系殺虫剤(1回使い切りタイプ)】
 患者:40歳 女性。

状況: 全量噴射型エアゾール式の殺虫剤を、普通の殺虫スプレーと勘違いし、手に持ったままスプレーしてしまった。

約1分後に間違いに気付き、噴射を止めたが、40cmの至近距離で吸入した。 症状:咳、嘔気、嘔吐、頭痛、咽頭発赤(2時間後には改善傾向)。

処置・転帰 :室内の換気、外来で処置(輸液)。

事例2 【原因製品:ピレスロイド系殺虫剤(スプレータイプ、バリアー用エアゾール)】
 患者:2歳 男児。

状況:子どもが、ワンプッシュ式蚊取りを何度もスプレーし、症状が出現した。 症状:咳込み(10分後に改善傾向)、嘔吐、眼の充血。 処置・転帰:水洗。

転帰:不明。

事例3 【原因製品:有機リン含有殺虫剤(蒸散タイプ)】
 患者:27歳 女性。 

状況:吊り下げ式の殺虫剤を、台所のゴミ箱のフタの内側に貼った。

その後症状が出現したため、設置場所を屋外に変更した。居室に設置してはいけないことは知っていたが、効果が低そうだったのでゴミ箱に設置した。

症状:動悸、悪心、悪寒(悪寒は当日、その他は翌日に出現、2日後には改善)。 

処置・転帰:家庭内で経過観察。

事例4 【原因製品:防虫剤(ナフタリン)】
 患者:36歳 男性。

状況:3ヵ月前にダニが発生したので部屋に防虫剤を300gまいた。

臭いがきつかったため、当日に半分取り除いたが、やはり臭いがきつく1週間後に全部取り除いた。

その後も臭いが続くため2週間前に畳を上げたところ、たたみの下の板にも臭いがしみ付いていた。

症状:喉の痛み。 処置・転帰:室内の換気。 

転帰:不明。