ラテックス特異的IgE抗体価上昇と口腔アレルギー症候群 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・一般演題
食物アレルギー3
司会者:田知本寛(東京慈恵会医科大学第三病院小児科)

103.ラテックス特異的IgE抗体価上昇と口腔アレルギー症候群(OAS)の検討

下雅意学1) 池田浩己1) 伊良波浩1) 畑埜義雄3) 榎本雅夫2)
日本赤十字社和歌山医療センター麻酔科1) 日本赤十字社和歌山医療センター耳鼻咽喉科2) 和歌山県立医科大学付属病院麻酔科3)


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手術患者におけるバナナ,キウイに対するOASの存在,血清総IgE値の増加,好酸球数の増加,OASを呈する食物数の増加が認められる場合にラテックス特異的IgE抗体価(以下L-IgE)の上昇が予測されることを前回報告した.

今回,L-IgEが上昇している手術患者において,どのOASが影響を及ぼしているかを検討した.

【方法】過去5年間の麻酔科管理下手術患者にラテックスと交差反応性のある食物に対するOASがあるかを問診し,L-IgEが上昇していた28例を対象とした.

L-IgEの上昇とOASの有無による影響を重回帰分析を用いて統計処理を行い,p<0.05を有意とした.

【結果】メロン,クリ,バナナ,キウイ,アボカド,パイナップル,グレープフルーツ,イチゴ,セロリ,モモの10種にOASを認め,イチゴに対するOASを認める場合にのみ有意差を認めた(p=0.01)

【考察】L-IgE上昇に対し,イチゴに対するOASの有無が影響していた.

イチゴのラテックスとの交差反応性は低く,当地域での生産量は低い.

しかし,手術患者に限定したことや,イチゴを摂取する機会といった地域性から影響を及ぼした可能性があり,更なる検討が必要と考えられた.

第58回日本アレルギー学会秋季学術大会 2008年11月開催


runより:当初フルーツ症候群と呼ばれていたのですが近年は口腔アレルギー症候群(OAS)と呼ばれています。