・一般演題
アレルゲン・抗原4
座長:近藤康人(藤田保健衛生大学医学部小児科)
328.OAS(Oral Allergy Syndrome)を伴うラテックスアレルギーの患者に対して特に重要なアレルゲン蛋白は何か?
矢上晶子1) 加野尚生1) 松永佳世子1) 矢上 健2) 配島由二2) 土屋利江2)
藤田保健衛生大学 医学部 皮膚科1) 国立医薬品食品衛生研究所 療品部2)
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【目的】ラテックスアレルギー(以下LA)患者が食物アレルギーを合併する現象を,ラテックス-フルーツ症候群と呼び,植物性食品に含まれる抗原とラテックス抗原との交叉反応性がその原因であるとされている.
注目すべきことに,軽症のLA患者においては,合併する食物アレルギーが果物や野菜によるOASに限られる例が多い.
今回我々は,OASを伴うLA患者に対して特に重要だと考えられるラテックス抗原を,各リコンビナント蛋白を認識する患者血清中の特異IgE抗体量を測定することにより調べた.
【方法】当科でLAと診断した患者の中で,OASを合併していた22例の血清をサンプルとして用い,rHev b 1,2,3,5,6.01,6.02,8,9,11に対する特異IgE抗体の量をCAP RAST(Pharmacia Diagnostics)により測定した.
【結果】検討したリコンビナント抗原の中では,rHev b 8(ラテックスプロフィリン)に対する特異IgE抗体が最も頻繁に検出され,68%の患者血清がクラス2以上の特異IgE抗体価を示した.
【結論】OASを合併したLA患者に対しては,Hev b 8が特に重要なアレルゲン蛋白の一つとして関与していると考えられた.
第17回日本アレルギー学会春季臨床大会 2005年6月開催