・一般演題
職業アレルギー
座長:赤澤 晃(国立成育医療センター総合診療部)
457.医療機関におけるラテックスアレルギー対策に関するアンケート調査
明石真幸1) 小嶋なみ子1) 大矢幸弘1) 赤澤 晃2)
国立成育医療センター アレルギー科1) 国立成育医療センター 総合診療部2)
--------------------------------------------------------------------------------
【背景】ラテックスアレルギーは医療現場で起こりやすい疾患であり,中にはアナフィラキシーにいたる症例も報告されているが,その認識,各病院での対応はさまざまである.
【目的・方法】医療機関におけるラテックスアレルギーに対する認識,対応の仕方を調べるため,全国約9800病院から無作為に498病院を抽出し,アンケート調査を行った.
【結果】107病院から回答があった.
ラテックスアレルギーについて全く知識のない病院は12%,ラテックスで蕁麻疹やアナフィラキシーを起こすことは比較的知られていたが二分脊椎など特定のグループで患者が多いことや,果物に対する交叉反応に関する知識をもっている病院は少なかった.
患者への対応について,対応できていない病院が79%,麻酔手術時のマニュアルやチェック機構のある病院は5%足らずだった.
ラテックスアレルギー患者の代替医療用具を用意していない病院は64%,医療従事者への対策についてまったく考えていない病院は35%だった.
【結論】病院内におけるラテックスアレルギーに対する認識,対応の水準の低さが伺われた.
今後もさらなる啓発活動が必要である.
第54回日本アレルギー学会総会 2004年11月開催