環境問題の「見える化」 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・大量生産・大量消費・大量廃棄型の経済活動に根ざすという点で,地球温暖化問題とごみ問題には多くの共通点があります。

「もったいない」という言葉に込められた,日本人のものを大切にする心ともかかわりの深い問題です。

CO2などの温室効果ガスも,家庭から出る「ごみ」もどちらも,資源を使った結果として発生する不要なものです。

石油をはじめ資源の大半を輸入に頼る日本にとって,温暖化対策もごみの発生抑制も,資源消費の削減という大きな共通の利点があります。

有限な資源を食いつぶしながら経済を発展させることは,「持続可能」とはいえませんが,GDPに代表される現在の経済指標では,この問題点を見せることができません。

これに代わる「持続可能な発展の指標」の開発も,取り組むべき重要な研究テーマの一つです。

話が大きくなってしまいましたが,最近,地元の自治体の低炭素都市づくりの計画やごみ処理基本計画の策定に携わり,改めてThink globally, act locallyの大切さと難しさを実感しています。

つくば市ではCO2排出量に占める業務部門の割合が高く,これには研究・教育機関のエネルギー消費が大きく寄与しています。

国全体,あるいは全世界のCO2削減に寄与する研究を行っているのだから,自らのエネルギー消費は大目に見てほしい,という声も聞こえてきそうですが,CO2削減に役立つ研究ではふんだんにエネルギーを使ってもよいが,それ以外の研究では削減すべき,というような独善的な考えは不適切でしょう。

研究という営みの必要性を「見える化」することも,私たちに課せられた重要な課題であることはいうまでもありません。

(もりぐち ゆういち,循環型社会・廃棄物研究センター長)