痛み12 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・14.抜歯と鎮痛剤
 抜歯をすると、プロスタグランジンは、抜歯直後から、歯周組織で急速に増加し始め、3~5時間
後にピークに達し、7時間後に、元のレベルまで、減少する。

抜歯後の痛みは、3~5時間後に、ピークになるが、痛みを感じてから、鎮痛剤を飲んでも、鎮痛剤の効果が得られるまで、速くても15分は要する。

抜歯に際しては、抜歯前に、予め鎮痛剤を服用した方が、痛みを遮断するにには、望ましいと言う。

 15.咳嗽の発症機序
 有髄線維のAδ線維と、無髄線維のC線維は、咳嗽(がいそう)の発現に関与している。
 Aδ線維の末端のRARs(rapidly adapting receptors)は、機械的な刺激、化学物質(アンモニ
ア、ヒスタミン:注5、プロスタグランジンなど)の刺激、煙草の煙などの刺激を受けると、咳嗽を誘発する。
( 注5:抗ヒスタミン剤(抗ヒスタミン薬)は、鎮咳作用がある。
 酢酸、クエン酸、蒸留水(の吸入)は、咳嗽を誘発させる。) 

C線維は、知覚神経で、副交感神経求心路として機能する。

タキキニン(P物質、ニューロキニンA、CGRP)は、迷走神経頚部神経節にて合成され、無髄神経のC線維の軸索内を、末梢側のC線維末端へ下降的に、輸送される。

C線維は、カプサイシン、ヒスタミン、ブラジキニン、煙草の煙、などの刺激を受けると、C線維末端より、タキキニンを放出する。
 C線維より放出されるP物質(サブスタンスP)は、肥満細胞を活性化させ、脱顆粒を起こさせる(
ヒスタミンが放出される)。

反対に、肥満細胞から放出されるロイコトリエンC4(LTC4)は、C線維を刺激し、C線維末端から、タキキニンを放出させる。

このように、C線維と肥満細胞のどちらか一方が、活性化ないし、刺激されると、相互に活性化・刺激し有って、咳嗽を悪化・慢性化(慢性咳嗽)させるおそれがある。
 タキキニンには、粘液糖蛋白分泌を促進させる作用がある。
 気道炎症で産生・放出される、ヒスタミン、ブラジキニン、ロイコトリエン、プロスタグランジ
ン、アセチルコリン、エピネフリン、神経ペプチド(P物質、ニューロキニンAなど)は、気道上皮細胞のイオン輸送を活性化する。

 16.天候と痛み
 慢性痛は、天候変化(気圧低下)により、増強する。
 気圧が低下すると、交感神経が緊張し、副腎髄質からのアドレナリン分泌が亢進し、末梢血管(
細動脈)が収縮し、組織内の血行が低下(虚血)し、酸素(O2)濃度が低下し、組織のpHが低下(乳酸の蓄積など)し、感受性が高まっていた痛み情報を伝達する痛覚繊維が興奮し、痛みが増強すると考えられている。
 気圧を感知する「気圧センサー」が、内耳に存在する可能性が示唆されている。