痛み8 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・10.オピオイド受容体と作用物質
 表1 オピオイド受容体  受容体  内因性オピオイド  前駆体
 μ(ミュー)  β-エンドルフィン  プロオピオメラノコルチン
 δ(デルタ)  エンケファリン  プロエンケファリン
 κ(カッパ)  ダイノルフィン  プロダイノルフィン


 11.モルヒネの痛覚抑制作用
 モルヒネの痛覚抑制作用は、下記のような機序によるとされる。
 1).シナプス前抑制:1次求心性ニューロンからの神経伝達物質の放出の阻害する。
 2).シナプス後抑制:脊髄後角ニューロン(2次侵害受容ニューロン)の活性化の阻害する。
 3).下行性抑制系の賦活:脊髄後角ニューロン(2次侵害受容ニューロン)を抑制する。

 12.局所麻酔薬の作用機序
 局所麻酔薬は、ナトリムチャネルを遮断して、神経膜を安定化させ、疼痛を抑制する。

 13.片頭痛とトリプタン
 片頭痛(注4)の発症機序は、完全には解明されていないが、片頭痛の際には、脳内の太い血管に炎症が起こり、まず、血小板から放出されるセロトニンにより、脳内の血管が収縮する。

( 注4:偏頭痛とも書く。
 頭痛は、痛みの性質から、大きく、3種類に、区別される。
 ①拍動性にズキズキ痛む(片頭痛、群発頭痛、感冒時の頭痛)
 ②持続性に絞めつけられるように痛む(筋緊張性頭痛)
 ③ナイフで突き刺されるように痛む(三叉神経痛、舌咽神経痛)
 片頭痛の発作は、月に1~2回(多い人で週に2~3回)起こり、1回の発作は、数時間~3日間続く。片頭痛は、女性に多い。)
 群発頭痛の発作は、毎日、1~2時間続く激しい頭痛が、1~2カ月間、群発地震のように続き、数か月毎に、再発する。

群発頭痛は、片側の眼の奥にも激しい痛みが起こり、飲酒で血管が拡張すると、増悪する。

群発頭痛は、男性に多い。
 筋緊張性頭痛は、鉢巻で絞めつけられるような圧迫性の痛み、ジワーとした痛み、重い痛みなどが、毎日、持続する(多くは、両側性)。

頭痛の痛みは、夕方や、週末に、ひどくなる傾向がある。

こめかみや、眼の奥が痛む場合もある。

めまいや、倦怠感を伴うこともある。

同じ姿勢を続けたり(うつむいた姿勢で仕事を続ける)、精神的に緊張し、頚部や頭の筋肉が収縮し、発痛物質が蓄積することが、原因らしい。

肩こり、首の筋のこりを伴うことが多い。

頚椎に変形のある人は、筋緊張性頭痛が、起こりやすい(後頭神経痛)。筋緊張性頭痛は、中高年の男女に多い。
 三叉神経痛の発作は、誘発部位が刺激されると、数秒間の鋭い痛みが起こる。

 片頭痛(偏頭痛)は冷やすと良くなる。反対に、筋緊張性頭痛は暖めると良くなる。

次に、炎症性に、血管透過性が亢進し、脳内の血管が拡張し、発痛物質が放出され、三叉神経が刺激され、痛みが伝導される。
 トリプタン(イミグラン錠)は、脳の三叉神経のセロトニン受容体(5-HT1B/1D受容体)に選択的に作用して、セロトニン作用を示し、脳血管の拡張を抑制したり、痛みの伝達を抑制して、片頭痛を改善すると考えられている。
 コーヒーは、片頭痛の予防に良いと言う。
 
 片頭痛の人は、40歳未満に、若年性無症候性脳梗塞になるリスクが高い。脳ドックや一般外来の患者での調査結果によると、片頭痛患者は、24%もが、若年性無症候性脳梗塞の所見を示した。

他方、片頭痛のない患者は、7%が、若年性無症候性脳梗塞の所見を示した。
 片頭痛の発作時には、74%の患者で、片側性に、主に、後頭葉の脳血流が

、低下する。
 片頭痛の発症には、ラクナ梗塞同様に、高脂血症など、血流を悪化させ要因が、あると考えられる。

 女性では、月経に伴ない、女性ホルモン(エストロジェン:estrogen)が変化し、片頭痛が起こる(月経片頭痛)。
 女性ホルモン(副腎皮質ステロイドと同様に血栓を形成させ易くする)の変化により、血小板凝集能が亢進し、血小板からセロトニンが、放出されることが、片頭痛の契機かも知れない。

 片頭痛は、ミトコンドリア病(MELAS)の初発症状のこともある。

 片頭痛は、チョコレート、チーズ、グルタミン酸などを摂取すると、発作が、誘発される。
 チョコレートは、カカオ豆が原料。

カカオには、カカオポリフェノール、カフェイン、ビタミンA、ビタミンE、テオブロミン、チラミンを含んでいる。

チラミンは、最初、血中に増加すると、血管を一次的に収縮させ、その後、チラミンが減少すると、血管が拡張しする。その結果、片頭痛様に、頭痛や嘔吐が現れたり、鼻出血が起こる。
 カカオポリフェノールは、甲状腺ホルモンの分泌を促進させ、基礎代謝を増加させる。
 テオブロミン(Theobromine)は、犬には強い毒性を示す(癲癇症の犬が食べた場合、発作を誘発し易い)。

アリルプロピルジスルフィド(Allyl Propyl Disulfide:玉ネギ、長ネギに含まれる)は、犬の血液中のヘモグロビン(Hb)を酸化させ、溶血性貧血を起こすことがある。