・出典:反農薬東京グループのホームページ
http://home.e06.itscom.net/chemiweb/ladybugs/index2.htm
・*** 無人ヘリコプターによる空中散布等に関する通知の一部改正案についての意見 ***
1、総括的意見
【意見1】
無人ヘリコプターによる農薬散布は、地上散布の100倍もの高濃度で、非常に小さい粒子にして広範囲に散布するものであり、周辺住民の健康被害に加えて、環境汚染をもたらす。
有機農業や環境保全型農業を進めている農政からも、推進してはならない技術である。
特に、農地と住宅が接近し、多種の農作物を栽培する集約的農業を行なっている日本では、人の健康への影響防止や対象外作物への飛散防止の観点から、上空からの農薬散布は厳しく規制すべきである。
無人ヘリ散布のような農薬散布促進の技術ではなく、農薬を削減するための技術を開発し、推進すべきである。
同時に、必要ない農薬散布をやめさせるために、農政全般を見直さなければならない。
たとえば、水田への殺虫剤散布で一番多いのがカメムシ防除の農薬である。カメムシの斑点米が1000粒に2粒以上あると、二等米に格下げされ、米の価格ががくんと下がる。
そのために、農家は収量に影響のないカメムシ退治のために大量の農薬を使用しなければならない。無人ヘリ散布もカメムシ退治が圧倒的に多い。
まず、農薬削減の計画をたて、それを妨げている要因をなくしていくことから進めるべきである。
無人ヘリ散布を必要悪として容認してはならない。
しかし、今すぐ完全禁止できない場合は、野放し状態の無人ヘリ散布を規制するのは当然のことであり、その意味では、今回の通知案には一定の評価をしている。
しかし、まだまだ不十分で有人ヘリ散布の規制にすら及んでいない点は早急に改めていただきたい。
【意見2】
今回の「無人ヘリコプター利用技術指導指針」の改定は、「消費・安全局長通知」にすぎず、法律として罰則も含めて制定すべきである。
既に、農業用の有人ヘリ散布の10倍の面積で無人ヘリ散布が実施されている。
通知案ではすべて「努める」としか書かれていない。
通知に違反した場合はどうなるのか不明である。
これでは不十分で、きちんとした法律で規制すべきである。