・気管支ぜん息
気管支が過敏で、発作性に気管支の内腔がせまくなって空気の出入りが制限され、せきが出たりゼーゼー・ヒューヒューし、呼吸困難を繰り返す病気。
起坐呼吸
横になっていると呼吸困難が強まり、座位をとるか、後ろに寄りかかると楽になるため、この姿勢をとりたがる状態をいう。ぜん息発作が高度になると、横になっていられず、起坐呼吸を行うようになる。
気道炎症
ぜん息の根本原因とされる。気道炎症があると気道過敏性が亢進し、気道収縮が起こりやすくなる。気道炎症が持続することで気管支壁の肥厚など気管支の構造的変化──リモデリングが起こり、ぜん息は重症化、難治化すると考えられている。
気道感染
気道がウイルス、マイコプラズマ、細菌などに冒されること。特にウイルス感染は発作を悪化または長期化させることがあり、ぜん息の人はかぜに対する注意が必要とされる。
気道過敏性
気管支の刺激に対する反応性。ぜん息患者の気道は健常者の数十倍以上も敏感になっており、冷たい空気、花火の煙、運動など、ちょっとした刺激に対しても気管支が敏感に反応して容易に収縮し、発作を起こす。気管支で炎症が持続していると気道過敏性はますます強まる。
救急外来
通常の対応では間に合わない病態に対応するため、医療機関に設けられている外来。ぜん息では、予期せぬ急激な悪化や医師に指示された治療を行っても改善しないことがよく経験される。救急外来が必要になった場合に備えて、平日の診療時間外および夜間・休日・祝日に救急患者を受け付けている診療所の所在地・道順・電話番号等を調べておくとよい。意識障害、著明なぜん鳴、チアノーゼ、尿・便の失禁などの症状は特に重症で、一刻を争い、このような場合は、原則として救急車を要請する。
吸入ステロイド薬
ステロイド薬は、現時点では、ぜん息治療薬として最も有効な抗炎症薬であり、また、β2刺激薬の作用を促進し、気道過敏性を改善する。吸入ステロイド薬は、通常の使用量では副作用は少なく、長期管理薬として利用することが推奨されている。使用するときはスペーサー(吸入補助器具)を利用し、吸入後はうがいをする。重症例では大量長期投与をすることがある。急激な減量・中止は、発作の増悪をもたらし、ぜん息死のリスクを高めることがある。ステロイド薬の吸入は、医師の指示に従って増減あるいは中止する必要がある。
去タン薬
気管支腺から正常な粘液分泌を増やしたり、粘稠なタンを分解し、同時に線毛運動を亢進させ、タンを切れやすくする薬。