シックハウス症候群患者におけるアンケート調査による発疹学的検討 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・一般演題
環境アレルギー・化学物質過敏症
座長:長谷川眞紀(国立病院機構相模原病院臨床研究センター)

178.シックハウス症候群患者におけるアンケート調査による発疹学的検討

菅原万理子 高橋一夫 大砂博之 池澤善郎
横浜市立大学医学部皮膚科学


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シックハウス症候群(SHS)は症状として皮膚粘膜症状が重要であるが,その頻度や性状は未だに不明確なのが現状である.

また,発疹学的にどういうものか,どう一般化するかを考える必要性がまだ残っている.

そこで横浜に拠点をもつNPO化学物質過敏症支援センターに登録している約1000名のうち同意の得られた475名を対象として皮膚病変のアンケート調査を実施した.

患者群を便宜的にSHS群,SHSから化学物質過敏症(MCS)進展群,MCS群に分類し,皮疹出現の頻度,皮疹の性状,皮膚科受診の有無,その際の診断・治療につき検討した.

その結果,SHSにおける皮疹の頻度は69%で,特徴的皮疹は露出部に出現しやすいそう痒性の紅斑であることがわかった.

ピリピリ,チクチクはSHS患者では20%にとどまりむしろMCS患者に特徴的であると考えられた.

皮膚科診断名はアトピー性皮膚炎と不明が各20%で,湿疹,アレルギー性皮膚炎,蕁麻疹が各々13%,10%,7%みられ,全体として湿疹皮膚炎に属するものが多かった.

今回の結果からSHSの皮疹の性状や皮膚科医の目にどのように映っているかがわかり今後の啓蒙の重要性が示唆された.

第21回日本アレルギー学会春季臨床大会 2009年6月開催