・一般演題
シックハウス症候群・化学物質過敏症
座長:岡田 千春((独)国立病院機構南岡山医療センター)
476.アレルギー外来からみたシックハウス症候群及び化学物質過敏症
池田浩己1,2) 中澤浩子2) 圓藤陽子3) 河本光平2) 大谷智子2) 榎本雅夫1) 山下敏夫2)
日本赤十字社和歌山医療センター 耳鼻咽喉科1) 関西医科大学 耳鼻咽喉科2) 東京労災病院 産業中毒センター3)
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【はじめに】最近,シックハウス症候群(以下SHS)及び化学物質過敏症(以下CS)の認知度は高くなってきているが,その診断基準に関しては狭義から広義まで存在する.
専門的な検査ができる医療機関ではともかく,一般の臨床現場ではSHSやCSの明確な線引きに悩まされることがしばしばである.
【目的・方法】SHSもしくはCSと診断されうる患者はどのような症状を呈し,一般の臨床検査でどのような傾向があるのかを,関西医科大学耳鼻咽喉科アレルギー外来において,SHSもしくはCSを疑い来院した患者を対象に検討した.
【結果】平成12年4月から平成16年4月までの該当患者は,男性17人女性36人の計53人.症状別は頭痛・咽頭痛・呼吸困難などが上位を占めていた.
血液検査でホルムアルデヒド特異的IgEが陽性の症例は存在しなかった.
【考察】臨床現場では用語的な混乱はあるものの,除外診断をした上でいわゆるSHSもしくはCSとの診断されるべき患者は多数存在するものと考える.
またアレルギー疾患とも合併したケースも多く,もつれた糸をほどくように臨床現場での対応が必要であることを痛感した.
第54回日本アレルギー学会総会 2004年11月開催