・一般演題
環境アレルギー・化学物質過敏症
座長:長谷川眞紀(国立病院機構相模原病院臨床研究センター)
179.シックハウス症候群・化学物質過敏症患者へのアンケートによる実態調査
長谷川眞紀1,2) 大友 守2) 中村陽一2) 西間三馨2) 今岡通厳2) 木村五郎2) 高橋清2) 小倉英郎2) 高橋一夫2) 池澤善郎2) 鳥居新平2) 秋山一男2)
国立病院機構相模原病院臨床研究センター1) シックハウス症候群の診断・治療法および具体的方策に関する研究班2)
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【目的】シックハウス症候群(SHS)の患者の実態を明らかにして今後の診療のための情報を得る.
【方法】班員の施設を受診中,あるいはNPO化学物質過敏症支援センターに登録しているSHS患者に対してアンケート調査を行った.
【結果】6つの医療機関,および支援センターから合計285通のアンケートを回収した.
232人(81.4%)が女性であり,年齢では40歳代が30.5%,50歳代が22.8%であった.症状は粘膜刺激症状,頭痛,倦怠感が多く,症状の出やすい場所では自宅が142名(49.8%)をしめたが,不特定という患者も91名(31.9%)みられた.133名(46.7%)の患者が転居しており,60名(21.1%)の患者が改築していた.
また8名が転校し,51名が転職していた.
診療費以外にSHS対策のために1,000万円以上を必要とした患者が9.5%にものぼり,経済上の負担も無視できないと考えられた.
医療・行政に望むこととして,SHSの疾患としての医療的・社会的認知,環境対策についての要望が多かった.
【結語】この調査から症状面,経済面においてQOL及び経済状態への阻害の状況が明らかになった.
第21回日本アレルギー学会春季臨床大会 2009年6月開催