簡易式の揮発性有機化合物負荷試験装置による化学物質過敏症診断の試み | 化学物質過敏症 runのブログ

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・一般演題
職業アレルギー1
司会者:千田金吾(浜松医科大学呼吸器内科)

273.簡易式の揮発性有機化合物負荷試験装置による化学物質過敏症診断の試み

河野徹也1) 中村陽一1) 熊沢佳子1) 石束嘉和1) 磯崎 淳1) 正田哲雄1) 山出晶子1) 川野 豊1) 西岡 清1) 山本真弓2) 鈴木慎太郎2) 足立 満2)
横浜市立みなと赤十字病院アレルギーセンター1) 昭和大学医学部第一内科2)


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【目的】化学物質過敏症(MCS)の診断には清浄空間での揮発性有機化合物(VOC)による負荷試験が望ましい.

しかし診療室全体を清浄空間に保ち,室内VOCのモニター装置を備えたユニットは設置が難しい.

当施設では診療スペース内に簡易式のVOC負荷試験装置を設置し同試験を実施している.

同疾患診断への試みとして報告する.

【対象】MCS疑いの6症例(男:女=2:4,11~61歳).【方法】簡易式クリーンルーム内で約1時間の待機後に厚生労働省が定める安全指針値濃度(0.08ppm)のホルムアルデヒドに40分間(10分間のプラセボを含む)暴露した.

その前後で,集中力テスト,粘膜刺激反応,自律神経機能等に関する検査を実施した.

1回目の結果が陽性の場合は後日single blindでプラセボによる再試験を実施した.

【結果】6例中2例が陽性であり,プラセボでは反応が認められなかった.

【考察】同負荷試験を用いた最善のプロトコールを模索すると共に同装置の有用性の検証を継続する.

(本研究は平成19年度厚生労働科学研究費補助金地域健康危機管理研究事業として実施した)

第58回日本アレルギー学会秋季学術大会 2008年11月開催