素因の有無による2群を対象とした負荷試験の試み | 化学物質過敏症 runのブログ

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・一般演題
化学物質過敏症1
座長:中村陽一(横浜市立みなと赤十字病院アレルギー科)

P-284.化学物質過敏症の診断法に関する研究―素因の有無による2群を対象とした負荷試験の試み―

河野徹也1) 中村陽一1) 熊沢佳子1) 石束嘉和1) 磯崎 淳1) 川野 豊1) 西岡 清1) 山本真弓2) 足立 満2)
横浜市立みなと赤十字病院アレルギーセンター1) 昭和大学医学部内科2)


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【目的】化学物質過敏症(MCS)の診断には揮発性有機化合物による負荷試験が望ましく,負荷前後においてMCS患者のみで変動する評価項目が必要である.

このような項目の選出を目的とした研究においては,MCS(疑い)患者のみならず患者と類似した環境条件にある正常対照者も対象とすべきである.

【対象】新築建造物内の同じ部署で勤務する同姓かつ年齢が近い職員より,QEESI問診票によりMCS素因が強い者とそうではない者を各4名ずつ抽出した.

【方法】安全指針値濃度のホルムアルデヒド揮発による負荷試験を実施し,その前後で粘膜刺激反応,自律神経機能,中枢神経機能に関する検査を実施した.

【結果】負荷試験前後における対照群との比較で,MCS素因群では呼気凝縮液中の酸化ストレス上昇傾向,電子瞳孔計による対光反応の交感神経抑制傾向,注意・集中力の一過性低下傾向がみられた.

【考察】適切な対照群をおいた負荷試験による臨床評価項目に関する検討はMCS研究において有用である.

(本研究は平成19年度厚生労働科学研究費補助金地域健康危機管理研究事業として実施したものである)

第20回日本アレルギー学会春季臨床大会 2008年6月開催