シックハウス症候群,化学物質過敏症の症状経過 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・一般演題
化学物質過敏症1
座長:中村陽一(横浜市立みなと赤十字病院アレルギー科)

P-281.シックハウス症候群,化学物質過敏症の症状経過

木村五郎1) 岡田千春1) 平野 淳1) 水内秀次2) 春摘 誠2) 浦上知子2) 藤原愉高3) 赤木博文4) 宗田 良5) 高橋 清5)
国立病院機構南岡山医療センターアレルギー科1) 同 小児科2) 同 皮膚科3) 同 耳鼻科4) 同 内科5)


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【目的】シックハウス症候群,および化学物質過敏症の外来受診者は,化学物質暴露の急性期に受診することが多く,継続受診は比較的少ない.

そのため,受診者の症状が,その後どのように変化しているかについて明らかでない.

その点を明らかにするため,当院シックハウス症候群外来受診者に,症状経過調査を行った.

【方法】過去6年間に「室内環境等の化学物質に過敏である」との主訴で受診した214名に質問紙を送付し,返送率は,27.3%であった.

【成績】初診時と現在の症状を自己比較した結果は,症状なし0%,改善26.9%,やや改善42.3%,不変15.4%,やや悪化9.6%,悪化3.8%,とても悪化1.9%,であった.

改善の理由として,「化学物質に対する過敏性が改善」と感じている人は23.9%,残りの76.1%は,「過敏性は変わらないが,自分にとって悪い物をさけているから」との結果であった.

【結論】患者の受診後の症状は,「自分にとって悪い物を避ける」などの対処で改善している人が多いが,転居など活動範囲の制限を行いながらであることが多く,「化学物質への過敏性の改善」を自覚する人は少数であり,今後の課題である.

第20回日本アレルギー学会春季臨床大会 2008年6月開催