化学物質過敏症診断における客観的指標の検討(第2報) | 化学物質過敏症 runのブログ

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・一般演題
化学物質過敏症
座長:大砂博之(ひろクリニック)

221.化学物質過敏症診断における客観的指標の検討(第2報)

水城まさみ 山田博之
国立病院機構盛岡病院臨床研究部


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化学物質過敏症(MCS)は化学物質濃度が基準値以下の曝露でも症状が発現し,症状が多臓器にわたり不定で捉えにくく,心因反応や精神疾患との鑑別が必要な場合がある.

最近ではヒトにおける疾患感受性遺伝子の検討や,疾患モデル作製の試みとその遺伝子発現の検討より何らかの神経原性炎症の関与が示唆されるなど,MCSの病態機序解明の糸口が見えてきた.

我々は以前よりMCS診断において侵襲が少なく客観性の高い指標について検討してきたが,前回の本学会ではカプサイシン負荷による咳感受性がMCS患者で有意に亢進していることを報告した.

今回はトルエン負荷時の近赤外線酸素モニタ(NIRO-200)によるO2ヘモグロビンと組織酸素飽和度変化量を測定し,脳血流量の評価を行なった.

対象はMCS患者16名(男4例,女12例),健常者5名(女5例)で,一部の症例についてはトルエン負荷前後での静脈血酸素分圧とストレス物質の一つである唾液中のクロモグラニンAを測定しそれらが客観的指標となり得るかについても検討した.

さらに今まで実施してきたQEESI,咳感受性試験,静脈血酸素分圧の指標と組み合わせることにより診断力が上がるかどうか,健常者や他疾患との鑑別が可能かどうかについても検討する予定である.

第57回日本アレルギー学会秋季学術大会 2007年10月開催