・一般演題
環境アレルギー,化学物質過敏症1
座長:水城まさみ(国立病院機構盛岡病院臨床研究部(呼吸器・アレルギー科))
P47.シックハウス症候群と化学物質過敏症における,血清IgEおよび特異的IgE抗体価の検討
後藤浩之1) 西中川秀太2) 圓藤陽子3)
関西労災病院内科1) 東京労災病院内科2) 東京労災病院産業中毒センター3)
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(目的)シックハウス症候群(SHS)および化学物質過敏症(MCS)はともに化学物質の関与がある疾患とみなされている.
これらの症状として,気道粘膜や皮膚の即時型アレルギー様症状をきたす事が多い.
また,その他物質のアレルギー反応を併発している場合もあり,鑑別が必要な場合が多い.
我々は,SHSおよびMCS患者の血清IgEおよび抗原特異的IgE(MAST26)について検討した.
(方法)2005年6月から2006年12月までに環境医療センター受診した患者の内,SHSと診断した95名(男性21名,女性74名:平均年齢39.5歳),MCS(男性8名,女性27名:平均年齢39.0歳)と診断した35名および正常人ボランティア32名(男性14名,女性18名:平均年齢43.8歳)名の血清IgEおよびMAST26を測定した.
(結果)血清IgE:MCS,645.41±265.60:SHS,92.28±160.73:正常人,60.32±478.83であり,3群の分散分析では有意差がなかった.
またMAST26の各項目の値について3群の分散分析による比較では診断別ではブタクサのみSHS群で有意差がでたが残りの項目では有意差は認めなかった.
(結論)SHS,MCS,正常人にて血清IgEおよび抗原特異的IgE(MAST26)は明らかな差は認められなかった.
今後ボランティア群の検査数を増やして解析する予定である.
第19回日本アレルギー学会春季臨床大会 2007年6月開催