・一般演題
シックハウス症候群・化学物質過敏症
座長:岡田 千春((独)国立病院機構南岡山医療センター)
481.職場環境による発症と考えられ,化学物質負荷テストを施行し得たシックハウス症候群の2例
木村五郎 岡田千春 高橋 清
(独)国立病院機構 南岡山医療センター アレルギー科
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シックハウス症候群は,家屋に起因した健康障害として,とらえられ,粘膜刺激症状や,自律神経症状などの多彩な症状を呈する.
今回同じ職場で発症した2例を経験し,ホルムアルデヒド,キシレン,トルエンの負荷テストを行い,反応を検討したので報告する.
2名とも新社屋への移転後に,目の痛み,微熱,けん怠感を発症した.負荷テストでは,一例目ではホルムアルデヒド,トルエンで,粘膜の刺激症状がみられ,二例目では,トルエン,キシレンで,ふらつき,倦怠感,肩の重さなどの訴えがあり,陽性と判断した.しかし負荷物質によっては,負荷のないときも同様の症状を認め,判断困難な場合も見られた.
負荷テストは,原因物質の特定に有用であったが,判断の指標が自覚症状中心であり,判定には無負荷のコントロールも加えて,慎重に判断する必要が考えられた.
さらに他の負荷テスト症例の結果も加えて検討した.
第54回日本アレルギー学会総会 2004年11月開催