トシル酸スプラタストが奏効した化学物質過敏症の2例 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・一般演題
気管支喘息・治療(7)
座長:西村善博(神戸大学大学院医学系研究科循環動態医学講座)

64.トシル酸スプラタストが奏効した化学物質過敏症の2例

中山博夫
中山医院


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我々は化学物質過敏症の患者で,皮膚炎・喘息の訴えで来院し,トシル酸スプラタストカプセルとモンテルカスト錠による治療を行ったところ,皮膚炎・喘息の改善とともに化学物質に対する過敏性の改善もみとめた症例を数例経験したので報告する.
症例1:永年写真の現像に従事してきた70歳女性である.呼吸困難と重度の皮疹を有していた.平成14年8月7日に某歯科医を受診時に喘息発作を経験したため,同歯科医より当院を紹介された.

治療および臨床経過:喘息発作と皮膚炎の改善を目的に,標記治療を開始したところ,治療開始1ヶ月後,外出時のマスク着用が不要になり,喘息症状の改善がみられた.

治療開始2ヶ月後には喘息症状の訴えはなくなり,呼吸困難を呈することなく通常の外出歩行が可能なまでに改善した.

治療開始3ヶ月後の所見では,皮膚症状は全く認めなくなった.
症例2:化学会社の研究所に従事してきた46歳女性である.

様々な化学物質に過敏である.

他院を転院した後,本院を受診した.アスピリン喘息も併発しているために継続的な喘息発作を有していた.

またアトピー性皮膚炎様の湿疹を認めた.

標記治療を行ったところ,喘息症状と皮膚症状は徐々に改善をし,治療開始より1年後,喘息発作および皮膚症状は全く認められず,外出歩行が可能なまでに化学物質過敏症も改善した.

第15回日本アレルギー学会春季臨床大会 2003年5月開催